ニュータンクシンドローム

《2014.06.07 SOME contents have been revised》
ranchu_1gou
この記事ではこの症候群の事よりもその時期の魚の導入に関する対処法に重点を置きたいので
これが何か?などは簡単に済ませて
ここでは金魚をどのように扱うべきか?
何が普通の場合と違うのかに注目します。
具体的には何をすべきか?何をすべきではないか?に関してです。
アメリカの記事でも殆どが定義に関する記事なので
定義は検索していただけば幾らでも見つかると思います。

では、簡単に・・・
ニュータンクシンドロームとは
新しく水槽を立ち上げるという不安定な時期に同時に導入される金魚が通常より死亡率が高く病気になる率も高いというものです。
また通常は立ち上げ期間である1ヶ月から2ヶ月を指しますが僕は個人的に金魚の導入は全て3ヶ月無事に飼えれば安心と考えています。
つまりこの記事では水槽の立ち上げと同時に新しい金魚を導入するケースに関して書く事にします。

まず最初にニュータンクシンドロームとそれ以外のケースの違いに関して

ケース1
金魚は1年以上自分で飼育、
その金魚を使って新しい水槽をゼロから立ち上げる場合

この場合は金魚のコンディションは既に最高レベルに達しているので
多少の問題は金魚が乗り越えてくれます。
僕の水槽立ち上げのケーススタディがそうですが
使用しているのは自家産のオランダ1世です。
ですので立ち上げ初期の不安定な水質の変化や
バケツで8Lと言う限られた水量における急激な温度変化にも
十分にトラブル無く対応してくれました。
これが昨日今日ショップから連れて帰ってきた金魚だと調子が100%になるまでに
水質の乱高下で問題が出るかもしれませんが
金魚が万全のコンディションなので問題が出ません。
ND_day50_koke
(→)実例: バクテリア製品を使った立ち上げ実験

ケース2
既に何年もバクテリアを継続して沸かせているろ材を使用した水槽があり
それを利用して新しい金魚を導入する場合

これは黒オランダ2号3号の導入のケースと同じですが
適当に塩水浴で簡単なトリートメントをして
問題が無ければそのままろ材だけ古い水槽からもらって
新しく立ち上げますがろ材には既にバクテリアが居るので
最初の2週間から1ヶ月ほど餌を与えすぎず水質悪化を避けるように管理すれば
アンモニアゼロ、亜硝酸塩ゼロになるので水質の乱高下が一度も起きずに
危険と思われる最初の3ヶ月を安定した環境で過ごす事で
最終的には金魚の本調子が出てその後も元気に暮らしていけます。
kurobaketu
(→)実例: 金魚の追加 黒オランダ2号の巻

ケース3
水槽の立ち上げが始めてで
新しい金魚を購入し同時に導入も行う場合

これがニュータンクシンドロームが出やすいケースです。
もちろん金魚が元気で餌を控えて最初の3ヶ月を無事に乗り切れば問題は無いのですが
可能性としては水質悪化がおきやすいので
金魚が耐え切れなくなり発病したり死んでしまう事が多くなります。
少なくとも ケース1 や ケース2 とは比べられない程
その可能性が高まります。
つまり
金魚が本調子で元気100%か
水槽が安定して水質の乱高下が出ないか
のどちらも無いわけですので
非常に不安定で危険な組み合わせとなります。

ニュータンクシンドロームを避ける為に

まずは最初の1週間はとてもデリケートに扱う事が大切で
餌も数日は与えず体を慣れさせるウォーミングアップから始めるべきです。
そして最初の1ヶ月は過激な事は何も経験させず常にリラックスさせる事で
無事に越える事が重要です。
何と言ってもこの時期は
普通なら死なないような事でも死なせてしまったり、通常なら病気にすらならないような状況で重症化したりします。
また物凄く元気に見えた金魚が次の日突然底で動かないとかもこの時期に出やすい急変パターンです。
ですので最初の1匹は元気で強い金魚を選んで、水槽も余裕のある大きなサイズでスタートすれば安心ですが
各ご家庭での事情もあると思いますので、このブログでは簡単な立ち上げ方のアイデアを考えたり実験したりする事で立ち上げのサポート、そしてこの記事で 金魚の安全を確保する為に注意する事をご説明します。

実はこれまでにお2人の方から
この時期の金魚の導入に関する相談を頂き、
結局、お2人の金魚は1匹も救う事ができませんでした。
その事も踏まえて、更に安全側の考え方と、それらの経験から
考慮すべき可能性の全てを書いておきます。
実際何が直接の原因かは特定に至っていませんので
全ては問題の出る可能性を低くする為に知っていただきたい内容に関してです。

◆まずはこれから金魚を飼おうと思う方は
このブログ内で、この記事以外の全ての記事を無視してください
この記事はニュータンクシンドローム予防を目的として
普通の飼育なら気にしなくても良いような事まで注意事項として述べていきます。
逆に言えば、この魔の3ヶ月間は
特にデリケートな扱いが必要ですので
僕のブログの他の記事は参考にしないでください。
基本的に多くの記事はこの魔の3ヶ月を無事にクリアして安定期に入ってからの話です。

◆利用する水が安全か確認する
pHの検査を行いだいたいどの程度の値かを確認します。
最近やけに酸性の値が出るようになり水道水を調べたら
水道水がすでに6.4でした。
これまでは検査しても何時も7.0付近だったので
特に気にしていませんでしたが、
酸性の値が出続けているため気になるので調べたら
法的にはpHは科学的に調整せず5.8~8.6とするようなので
必ずしも7.0では無いそうです。
より正確に言えば場所によって違う値が出るということと
時期によっても違う値が出ると言う事になります。
(塩素の濃度も同じです)

また
水道水の場合塩素が約1ppm検出される事を確認します。
法的には1ppm以上ですが、簡易検査では約1ppmならOKです。
共同住宅の方は水道水なのにゼロが出るようなら問題ですので管理会社や自治会に問い合わせてください。
一般住宅ではまずこのような事は起こりませんが塩素が十分に検出されない場合は検査を依頼されたほうがよいです。
cl_1

◆怪我をしてる金魚 や 元気が無い金魚 はNGです
怪我をしている金魚、病気かもしれない金魚は30日以上の過酷な戦いに勝てません。
お店で選ぶ時は問題を抱えていない健康な個体を選んでください。
そしてその元気を水槽が立ち上がるだろう30日~60日後まで継続させる事が最重要です。

◆金魚はあまり大きくなく強い個体がベストです。
大きくなるほどアンモニア源を多く出しますし、
何より体に見合う餌を与えなくてはなりません。
多くの方が立ち上げと同時に本格的に飼育を始めて問題化しますので
できる限り少ない餌で最初の1ヶ月をキープできるそんな金魚がベストです。

◆最初の金魚は1匹か2匹
1匹のほうがより安全ですが、金魚は1匹だと全ての警戒を自分で行うので水槽などでは慣れるまで大きなストレスを感じます。
特にあとから追加する予定で大きめの水槽に1匹だけ入れるとかなりのストレスで病気になりやすくなります。
このような場合はあと1匹お供が居れば急にリラックスモードになるのでストレスは大きく軽減されます。
あくまで最後は個々の性格などで決まるのでビビリな2匹とかだと2匹で互いに派手な逃避行動をとって相手を更に怖がらせるという悪循環もありますのでお店で選ぶ際には人に対してどの程度警戒心を持っているか確かめてください。水槽の前で指を1本出して左右に動かすと判断しやすいです。ビビリはその時点で奥に逃げますが懐きやすい個体は指を追いかけます。 黒オランダは2匹とも指に追従していました。そのような金魚は導入時に怖い目にあわせなければかなり懐きます。

上記は最も起こりやすい問題ですが、実はこの全く逆の問題もマイナーですが存在します。

◆金魚が小さすぎたり水槽が大きすぎてもNGです★1
水が腐るという問題があります。
これは水質が悪化する事でおきますが原因は餌のやりすぎの 逆 です。
金魚が糞をする>アンモニアが出る・・・
というプロセスからの問題ではなく
塩素が抜けた水に何時までも十分な濾過バクテリア&有機栄養細菌が沸かない場合にでます。
水を換え過ぎたり、水槽が大きすぎて金魚が小さすぎる(又は少なすぎる)と出やすい問題で
水槽内が貧栄養化して上記のバクテリアが増殖できない場合に腐敗細菌が増えるような場合に起きます。
エアストーンにドロドロの腐敗物が出たり、ろ材に半透明の物体がべったりと付く現象がサインです。
時にはこのサインが出る前に異臭が発生し水が腐った事が確認できる事もあります。

金魚を飼う飼育水には上記のようなバクテリアが発生するので通常は安定すれば1ヶ月水を換えなくても腐りませんが、このバクテリアがシステムとして機能するほど十分な数居なければそのような魔法は効かなくなります。
そのようなケースがこれです。
普通は初心者は餌を与えすぎる傾向があり貧栄養化よりも過度な富栄養化になるのであまり出ない問題ですが
巨大な水槽にメダカ1匹みたいな状態ですと出やすいです。
金魚が出す排泄物の量や与える餌が明らかに少なすぎる場合(=水量がものすごく多い場合)は注意してください。

完成した水槽をお持ちでも
毎日全ての水を換えている場合は出ませんが、半分程度を毎日換えていればこの現象を経験されると思います。
もちろん汚れたスポンジフィルターなどがあったり、壁面や底面に苔がびっしり生えていればその中のバクテリアの働きで問題は出ません。
ですので一度立ち上がりコケなどが生えるほど硝酸塩やリンが作られるようになれば
大きな容器で大量の水に少しの金魚というのは良いと言えますが
立ち上がる前だけは、逆に小さめでも水質をギリギリで管理しているほうがこの問題が出難いです。
ですが
あくまで新しい水槽やコンテナで水が出来ていない(バクテリアがあまり居ない)状態で水を換え過ぎれば出る問題ですのでこの部分にあまり気を取られて小さな容器で立ち上げようとすれば今度はアンモニア中毒などの問題が出ますので金魚のサイズや数に合わせた水量でスタートしてください。

条件により色々な組み合わせが考えられますが
8cmを大きく越える金魚の飼育経験が無く大きな金魚のデータはありませんが
基本的に丸手で尾を含まない体長5cm~8cmくらいなら1匹につき10L前後確保すればOKです。
それより小さい場合、体長2cm~3cmなら1匹5Lあれば十分ですし多いくらいです。
※もちろん温度や餌の与え方でこの法則は成立しなくなる事も多いのであくまで目安です。
※全てのデータはこのブログに出てくるコロコロとした丸手の金魚の経験です。
ワキンのような長手ならもう少し少ない水量でOKかもしれませんが僕は未経験で不明です。

最も確実なのはアンモニアと亜硝酸塩を検査して問題の数値になれば速やかに1/3~1/2程度の水を換えて
濃度を低く保ちながら気長に飼育していれば金魚は常に安全ですし水も徐々にこなれてきて最後には立ち上がります。
このようにアンモニアと亜硝酸塩を目安にする方法は餌、温度、金魚のサイズ&数、水量など全てが加味された結果出るので常に正確な判断基準としていただけます。

また過度な富栄養化の場合でも夏などは餌が底に残ったままになっていると
バクテリア不足の為1日経たずに水が腐り匂うことがあります。

◆餌は人工飼料を与える
決して生餌などは与えず人工飼料で安全に立ち上げてください。
通常はここまで気にしませんが
立ち上げと導入を同時に行う場合は、感染症などの可能性を低くする為に重要です。
特に赤ムシなど動物性の餌は生、冷凍、乾燥関係なく避けて下さい。
大手メーカーの人工飼料に含まれるフィッシュミールなどは生成時に殺菌されているのでOKです。
この場合でも 餌の食べ残しが底に残ったままになればカビや雑菌(腐る)問題が出ますので
餌の食べ残しが出ないように少なく与える事と、
万が一食べ残しが出た場合はスポイトで直ぐに除去してください。

◆本気で飼うのは少なくとも水槽ができてから
立ち上げ中は飼育ではなく
リハーサルのように扱うと少し安心です。
つまり餌も本気モードで与えるのではなく
試食のような量(普段の1/10とか1/5とかの量)で立ち上げると安心です。
アンモニアはどうしても高くなる時期が来ますが
最初を少なくスタートすれば有利です。
最初に餌を多く入れると失敗の確率、仕切りなおしになる確率 共に大きく上昇します。
※これにより僕の金魚はかなり細くなりました。丸手の金魚で太っていることが魅力の場合は注意してください。
※太った金魚は水槽を安定させてから購入してください。痩せさせると魅力が半減します。
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◆餌は4mm粒なら1日1粒/10L前後 でも立ち上がります
餌は減らせれば減らすほど安全に立ち上げられますが
少なすぎるとアンモニアや亜硝酸塩や硝酸塩の検出値が低く
立ち上がっているかどうかの判断が困難になります。
また、この方法を実行される場合は
大きな金魚や太った金魚は1ヵ月後には
別の金魚のような見た目にまで痩せますので、その点も考慮して
最初は小さな金魚や痩せてもOKな金魚で立ち上げてください。
流石に何万円もするような金魚で立ち上げる方は少ないと思いますが
1ヶ月以上もの間、
餌を減らせばかなり見た目が貧弱になりますのでご注意ください。

◆例えば1週間に2回程度水を換える
毎日1/5を換えると言う方も居られます。
しかし状況判断無く無条件に水を換えるのは危険です。
僕の1回目の実験の横で行っていたアネックス法では
換え過ぎれば立ち上げは少し遅れるかもしれないという結果が出ましたが
また別の実験では亜硝酸塩が出すぎて2日に1回換えないと水質が安全レベルを維持できませんでした。
この場合は頻繁に水を換えましたが意外にも悪影響は出ていません。
この辺の判断を的確に行う為には勘に頼らずに
検査薬で確実にアンモニアや亜硝酸塩の濃度をモニタする必要があります。
良く分からない場合で迷った時はリセット覚悟で水を換えて下さい。
それでも金魚さえ生きていれば2回目の挑戦ができますし、通常は1回目より簡単に立ち上がります。
ただただ水を換えれば良いというものではありませんが、アンモニアや亜硝酸塩濃度を低く抑える事で魚へのストレスを減らせます。
もちろん換え過ぎれば上記のような貧栄養化によるバクテリアへの影響が出ますので
アンモニアや亜硝酸塩が問題レベル以下になる程度ギリギリに水を管理してください。

◆怖がらせない
もし金魚が全く懐かない、怖がる場合は
環境に慣れるまでの数日は特に極力コンタクトを避けて下さい。
最初だけコンタクトを減らして必要なら水槽の周りを紙で覆うなどして金魚をリラックスさせると免疫力が落ちるのを防げます。
紙は黒か濃い色が良いようです。(白や明るい色は怖がるのでNGです)
無ければ新聞紙でも良いので側面から人の動きが見えないようにしてあげてください。
本当は最初の1週間程度は水槽ではなくバケツやコンテナ、プラ舟のような壁が不透明なものがベストです。
金魚はそれだけでかなりリラックスできますし、そうすれば免疫力の低下も予防できます。
つまりコンタクトは常に上部の水面のみから行い側面からはアイコンタクトをしないほうが良いです。
これは金魚を懐かせる方法でもありますので金魚が懐かない方は試してみてください。

◆立ち上げは温度が24℃~28℃くらいの時期を選ぶ
僕のケーススタディでお分かりかもしれませんが
冬などは水温が低すぎてバクテリアが増えないので立ち上げに不利です。
最悪でも20℃以上の日が何日も続くようなタイミングが必要です。
いずれにしても最後には立ち上がりますが
バクテリアの増殖が遅い=立ち上げに時間がかかる=金魚が弱る
ですので極力手際よく短期間で完了できるように
水温が24℃以上28℃以下で
少し余裕を見て2ヶ月ほどキープできる時期がベストな時期です。

《2014.06.07 THIS contents have been revised》
◆温度変化を確実に把握する
人間が起きている時間の温度だけ把握しても駄目です。
(明け方に最低水温になります)
ですので温度計はデジタルが推奨です。
およそ1000円程度で最高/最低水温が測れる
メモリー機能付きのものが買えます。
四六時中温度を確認しなくても1日一回確認すれば最低水温最高水温が分かるので
前日どの程度の温度変化に晒したか判断できます。
病気の予防にはこの温度変化を知ることはとても重要な事です。
特に1日5℃以上の変化に晒す事は導入時は極力避けるべきですので
このような場合は昼の温度を上げないようにして
夜は下げないように置く場所や断熱対策に工夫が必要です。
《追記》
過度の温度変化で弱らせるっことがありますので注意は必要ですが
同時に温度変化が少なすぎる中で慣れて、その後急に温度が変化したら
温度耐性の低下により調子を崩しますので
現在は、程ほどに温度変化があるほうが強さを維持できると考えています。
《/追記》

wc_digitalthermometer
僕は水温だけでなく気温も同時に測れるものを
7つ(全て同じもの)利用して現在15個のタンクのおよその変化を把握しています。
水換えの時は1つでも温度は計れますが、
毎日忙しい中、水を換えるのに1つで計測すると十分な時間待てずに
温度計が未だ正しい値になっていないのに読み取ってしまう問題が出やすくなります。
2つあれば、金魚の居る場所に1つ、新しい水を入れた場所に1つ入れて数分放置してから読めば
両者の温度を正確に把握できます。 
1つならこの作業を2回すること、冬場などはその間に温度が下がったりする事が問題となります。

《2014.06.07 THIS contents have been revised》
◆温度変化を緩慢にする
温度は金魚の全ての機能の活性度を決める重要な要因ですので可能な限り緩慢な変化にしてください。
《追記》
過度な温度変化は問題が出やすいという見解は今も持っていますが
適度な温度変化はむしろ必要という考えに至りましたので
上記は間違っていたと考えております。
《/追記》

特に水槽が小さい場合などは晴れた日の昼と夜の温度差に注意です。
夜は蓋をする等して極度の低下が起きないようにしてください。
真夏や真冬は温度が安定しますが春や秋、そして季節の変わり目は特に注意です。
晴れた日で夕方以降空に雲が無い場合は空に蓋が無い場合と言う事で温度が急冷されます。
夕方以降、曇りの日や雨の日は 空に雲が蓋をするので対流が起きて温度変化は少なくなります。
《追記》
過度な温度変化に注意するという意味では
直射日光により日中の水温が急上昇する事が問題化させやすいので
特にその必要がある場合を除き、適度な範囲の変化にとどめられる場所を選んで水槽を設置するのは良いと思います。
くどいですが、多少の変化は必要なので全く太陽が当たらないよりも夕方に数時間ほど当たる場所などが良いと思います。
個体差やコンディションの違いがありますが基本的に10度前後の変化でも毎日のように晒されている金魚は問題が出ません。
これまで殆ど変化が無い生活をしていて急に15度とかの変化に晒されると良くないと思います。
《/追記》

◆出来る事なら早く立ち上げる、事前に立ち上げておく
これは金魚が居ないとできないと思われがちですが
フィッシュレスと呼ばれる方法等、幾つかの方法があります。
特にお勧めなのは、友人などアクア系の趣味で淡水の環境で何かを飼育している方が居ればその底砂利とかろ過フィルターを少し貰うと立ち上げが早く出来ます。
もちろん金魚以外の生き物の場合、特に魚ではない場合は持っている菌類など問題が無いか調べてください。
また、このブログで紹介している別の立ち上げ方法なども可能なら試していただいて問題の期間が可能な限り短くなるようにしてください。

◆アクセサリーは後日
最初は雑菌の繁殖もしやすいので
極力シンプルにして常に清潔な状態をキープしてください。
バクテリアが居るから仮に1ヶ月水を換えなくてもOKだったりします。
居ない間は水は普通に腐りますので適度に換えたりメンテナンスの必要が出ます。
ですのでこの間、問題が最小限に抑えられるように立ち上げに不要なものは入れないようにしてください。
失敗のリスクを低くすればそれだけ楽しい金魚ライフが送れる環境が早く手に入ります。

それでも病気にしてしまったら

現時点で自信を持って提案できる方法論がありません。
お2人の方から金魚の導入&水槽の立ち上げに関する相談を受けながら
お2人の金魚を死ぬ事から救えませんでした。
現在、この件に関して僕は非常に無力ですので
何か信頼できる治療法や、対応が無いか考えています。

これまで自分の環境ではテッパンだったバケツ2個による塩水浴も
ある質問者さんの金魚には無力でしたので、もし病気にかかった場合は
多少金魚への負担や悪化のリスクは大きくなりますが
この最初の3ヶ月に関しては観賞魚用の薬を使うしか無いかも?と思っています。
僕自身は最初の立ち上げ中の3ヶ月はイソジンで治しました。
観賞魚用の薬では効果が低く日に日に悪化していったので・・・・
しかし、イソジン浴もその後封印することになる事件がおき
全ての方に安心ですとは言えないので
現時点では 
やはり・・・
◆観賞魚用の薬の利用
※僕の知る限り観賞魚用の薬はQR(即効性のある薬)ではありません。
1週間から1ヶ月くらいまでの長期的な治療を基本としています。
ですのでその間水質悪化をさせないように薬の有効期間には関係なく
泡や匂いが出て水質が悪化したら新しいものに交換してください。
通常、金魚が粘膜など分泌したり、前日までの餌を排泄する
薬浴1日目終了後か2日目終了後あたりが最も水が汚れますので注意です。
※絶対に餌は与えないでください。
◆治療はできれば黒いバケツの利用・夏以外は昼でも(24時間)蓋をする。
※透明な水槽ではビジュアルストレスが罹るので治療効果が低いです。
※同様の理由で、半透明や明るい色のバケツも重病の治療には不向きです。
※金魚が人の気配を感じないように目隠しの為の蓋です。
※夏は蒸れるので蓋はできません。
blkbuket
▲普段は黄色いバケツでも気にしませんが
死ぬかもしれない重病・重症の時は黒いバケツを使用&蓋が安心です。
◆餌は与えない
※水質の安定を重視します。
◆数日放置する・近づかない
※金魚の回復を確実にするにはこれも重要です。
※しかし1日目は水質変化に耐える為粘膜の分泌があったり
 数日の間にこれまでに与えた餌が糞として出ることもありますので
 時々様子を見て泡が大きい場合や異臭がする場合は
 新しく薬をいれた綺麗な水に取り換えてください。
◆エアレーション
※強すぎると体力を奪いますので
 水流が強く出ないように弱くするか
 バスケットなどを浮かべて金魚を入れ
 エアレーションはバスケットの外に配置すれば安心です。
◆ヒーター
季節の変わり目などで温度変化が出そうな場合は
昼の最高水温(気温ではありません水槽内の温度です)を調べて
ヒーターをその温度にセットすると水温の変化を抑えて治療効果を高められます。
加温すると体調を壊す可能性や感染症の細菌に有利になるので
無駄に加温する事無く水温の安定だけを提供します。
※加温が必要な病気なら加温してください。(白点病・尾腐れ・赤班は加温NGです)
heater

という事しかお伝えできません。
ですので可能な限り最初の3ヶ月を無事に過ごさせてから
ようやく自分のやりたい飼育をやってみるようにしてください。
本調子さえ出れば金魚はとても強い生き物です。
それまでは元気に見えても安心しない事が重要です。

僕は何とか死なせる事無くこの
ニュータンクシンドローム期を乗り越えられましたが
イソジンでの治療が偶然うまくいっただけで
何か1つ条件が違っていれば死なせていたかもしれません。
今では尾腐れで金魚を死なせることは考え難いですが
安定した水が出来ていなければそれだけ金魚は弱ると言う事ですので
水槽が完成するまでは金魚を死なせない事を重視して飼育してあげてください。
1年も飼育すればバクテリアも安定しますのでそれ以降なら
いろいろなやりたい事を実施しても比較的安全に行えるはずです。
どうしても最初に色々な事をして見たいと思われると思いますが
それを1日も早く実現する為にも安定した水槽を手に入れてください。

oranda_suaka1gou
(→)オランダ獅子頭
tancho_
(→)丹頂

▲知識不足からパイロットフィッシュにしてしまった最初の2匹です。
立ち上げ途中で尾腐れ病になり薬浴をしましたが
知識不足で間違った事を多発して、その後悪化して
自力で泳げなくなり、流されて時々弱弱しく口をパクパクする状態でしたが
イソジン浴で何とか回復しました。
今なら安定した水槽に入れておけば直ぐに元気になりますが
この当時は塩水浴のやり方も間違いだらけだったので
何処に入れても悪化するような中での綱渡りの治療でした。

“ニュータンクシンドローム” への 6 件のフィードバック

  1. > エアストーンにドロドロの腐敗物が出たり、ろ材に半透明の物体がべったりと付く現象がサインです。

    こんにちは獅子頭大好きです。上の文を読んで「ムムム…」と思ったので意見を聞かせてください。
    m(_ _)m

    というのは今朝(20日朝)水槽を見るとガラスに透明ゼリー状の物体が張り付いていました。中には7~8個の粒々が。この時季に卵???これは卵なのでしょうか。

    * 固体 : オランダ獅子頭を一匹飼い (体長5cm / 約半年生存)
    * エサ : ランチュウ用2粒をナイフで4分割 (計8分割 / 現在は朝だけ)
    エサを丸ごと一粒ずつ与えると浮き癖(転覆前症状)がでるため
    * 糞 : お尻から糞を引いているところを見た事がありません (ほとんどが細かな糞)
    * 水量 : 水深を浅くするために 15L (23L水槽) 異臭はしません
    * フィルタ : 水作S投げ込み + 細かい泡のストーン
    * フィルタのマット : こげ茶色 (半年間使用中)
    * ぶくぶく泡量 : 丸手なのですごく緩やか
    * 床砂 : 大磯 (底が見えるか見えない程度)
    * 水草等 : アクセサリーも何も入れていません
    * 壁面 : コケが少しだけ付いています (風呂場のカビ程度?)

    水換えは週一回2Lです。(たまに週2回のときも)水の換えすぎでしょうか、それとももう一匹同居させたほうがいいでしょうか?以前おとなしい金魚を同居させたら脅えて隅で動かなくなっていました。それ以来ずっと一匹です。

    1. 獅子頭大好きさん こんにちは

      写真がないと分かりませんが

      卵なら
      完全な球体ですが 丸い形をしていますか?
      >中には7~8個の粒々が
      また1匹飼いなら無精卵なので中に目とか何かが出来る事は無く
      最初は透明な状態から徐々に不透明の白になり 
      最後は白い毛皮のようなカビが生えて
      最後には溶けていくはずです。

      またカビやその前兆なら
      徐々に大きくなってくるはずです。

      いずれにしてもその1匹がメスで
      卵を産んでもオスがいないと孵化しないので
      それが卵だとしてもカビが生えるので除去されたほうが安心です。

      ※ちなみに金魚以外の何かが産み付けたものなら僕は経験が無いので分かりません

      またそれ以外の何かなら
      バイオフィルムと呼ばれるバクテリアの住処が
      大きくなってきた可能性がありますが
      目に見えるサイズや厚みになる場合は除去しないと
      白いモロモロの物体となり水中を漂って水を濁らせたりして厄介です。

      ここで水換えの頻度ですが、記事が未だ出来そうにないので
      簡単にお答えすると
      15Lで2Lなら約13%なので
      それを週に1回か2回程度なら
      問題ないと思います。

      適切な水換えの頻度や量は
      基本的に
      ◆水槽内の総水量、
      ◆与えている餌の総量や種類、★1
      ◆水温、★2
      ◆金魚の大きさ&数&活性度や病気の有無、
      ◆バクテリアの量&種類&活性度
      などの組み合わせて決まります。
      また補助的に エアレーション、日光、水流などの影響も受けます。

      獅子頭大好きさんに書いていただいたスペックから
      総水量:15L、
      餌の量:4mm以下を2粒と仮定
      水温:適温~少し低めと仮定
      金魚:1匹 サイズ中、元気
      バクテリア: 半年経過&苔が見られるので安定
      と考えれば
      水換え1割強を週に1回か2回は決して多すぎるとは思えません。
      勿論、水が腐るほどの換えすぎにはあたりません。

      あくまで不明な点は全てこちらで仮定して回答していますが
      書いていただいたスペックから

      ★1
      15Lに餌を2粒と言う事ですが
      この1粒がどのくらいの大きさかで判断が違ってきます。
      もしコイやマス用の大きな粒ならかなりの量ですし
      僕が与えているような4mm径程の餌(中粒)なら
      体長5cmの丸手には適量だと思いますし
      1mm径程の小粒なら少なめですがそれで金魚が健康で元気なら何も問題はありません。
      ランチュウ用と言う事なので多分4mm径以下だと判断して回答させていただきます。

      ★2
      ヒーターは不使用と判断し、
      その場合、15Lという水量なら特に断熱処理していない限り
      水温が室温とほぼ同等で推移していると思いますので
      この温度が15~20℃前後なら現在の頻度は問題ないと思います。

      ただし、ご質問の最初の物体が卵ではなく
      バイオフィルムの残骸やその他カビの原因物質なら
      水換えや餌やりが幾ら適切に行われていても別の原因で発生する可能性も検討されたほうが安心です。

      代表的な例としては
      ◇底砂がある場合
      かつ
      ◇金魚が与えられた餌を全て食べきれていない場合
      です。
      つまり餌の残骸がどこかに溜まっている可能性などを心配されたほうが良いかもしれません
      ※餌の残骸は必ずしも目に見えるサイズとは限りません。

      餌を砕く場合やフレーク餌のようにバラバラになる餌を与える場合に
      底砂利などの間に餌が入り込み
      それを金魚が食べられないままになる事があります。
      これが1回程度なら問題にはなりませんが毎日の蓄積になると
      いずれ問題が出ます。

      ※この問題は濾過装置に吸い込まれた場合も
      濾過装置内で同様に問題化することもあります。
      濾過装置内に十分な水流があれば問題は出難いですが
      水流が弱い場合や、目詰まり気味の場合や、
      水流のあまり無い部分に餌の残骸が溜まった場合は問題化します。

      底砂内の問題は
      プロホースのようなもので時々砂利の間にたまった餌など
      栄養のある物体を除去すると安心です。
      又は
      僕のように底さらい(=糞こし)を行う為に金魚を出して、水をバケツに抜いて
      それ以外のものは全て一度水槽から出して
      軽く古い飼育水内でリンスしてからその水を捨ててから
      全て戻して、減った水の分は新しい水を加えるという作業でもOKです。
      僕は底砂ありも、ベアタンクも関係なく実施していますが
      夏場など気になるときは週に1回(それ以外は1ヶ月に1回)
      冬などで特に何の問題も感じない場合でも2ヶ月に1回は
      行うようにしています。

      僕は砂利に関して実験しているわけではないのですが
      別の記事の為に
      現在砂利を敷いて問題の有無を実験しているのですが
      やはりベアタンクに比べると上記の問題が出やすくて
      夏場など水温が高かった時は水質が悪化しやすかったです。
      毎日の餌の蓄積はやはり怖いと思いました。
      糞に関しては特に問題は無く全てカビが出る事無く分解されていますが
      餌は栄養が多く含まれるので分解よりカビが先に出ます。
      そしてこのカビの付いた餌が分解されるとなんか 
      ドロッとしたものになるので注意してください。
      僕は生餌を主にしているのでこの手の問題が直ぐに出ます。

      ◆底砂があってもメンテナンスをスルーできる条件

      ここまでに分かってる事を簡単に書きます。

      1)隙間を大きく開ける
      ビー玉で実験すると良く分かりますが金魚が口で吸って移動できない程大きな石などを入れていて
      その底に餌が落ちるともはやアウトです。
      ビー玉は隙間を空けられるように少し数を減らすと金魚がビー玉を
      口で転がして移動して底に落ちた餌を食べます。
      起きている間ずぅ~っとやるので
      ガーガーうるさいですけど 隣の部屋に居ても 
      金魚も、がんばってるんだなぁと音で分かりますw

      >床砂 : 大磯 (底が見えるか見えない程度)
      と書いていただいているので多分大丈夫でしょうけど
      幾ら薄く敷いても
      この大磯が中粒以上のサイズなら要注意です。
      その場合は金魚が石を押しのけて底にある餌を食べられるほど密度を低く
      上から見たら所々底が見えている程度でないと 多分この問題が出ます。

      2)全ての粒度をツクツクが出来るような小さなサイズにする
      金魚が砂利を口に入れて苔やバクテリアを食べるのはご存知と思いますが
      あれが出来る程度の小さなサイズならこの問題は激減しますので安心です。
      少なくとも底の上部になる部分では全ての砂利の粒度がツクツク可能な細かさならOKです。

      ですので
      1)や2)に該当する場合以外は
      定期的にメンテナンスが必要ですので上記のように
      プロホースか底さらいかでメンテナンスしてあげて下さい。

      ◇その他ドロドロの物体が発見された場所

      投げ込み式濾過装置の下
      これも注意ですが意外にも多くのえさが
      投げ込み式ろ過装置の下に入り込みます。
      現在は全て底上げして殆どのタンクで
      魚が底に吸い込まれた餌を食べられるようにしているので
      綺麗ですが どうしても大きな魚を浅い水深に入れている場合は
      底上げも十分にできなくて魚が入れないので
      この場合は数日に1回はスポイトで吸っています。

      ◆同居の問題
      >それとももう一匹同居させたほうがいいでしょうか?
      現在1匹で元気なら特に同居の必要は無いと思います。
      警戒して懐かないとか怖がりすぎる場合は逆に仲間を入れると
      警戒の負担が軽減されて改善する可能性がありますが
      正直、これだけは相性の問題もあり下手をすると最悪になります。
      僕の場合、
      黒オランダ2号は3号を追加して同居させて元気になり現在も好調ですが
      尾長流金なんかはこれまでに 
      ランチュウ、チョウ尾、白オランダなど色々な魚と組み合わせましたが
      毎回病気になったり怪我を負わされたりして
      最近も奇病が出たので現在はまた単独飼育です。
      水槽が複数ある場合は時々試されるのは良いかもしれませんが
      僕の尾長流金のように毎回ダメージを受けるようならリスクもあるので
      安全な範囲で試せる場合のはなしです。

  2. こんにちは金魚部さん、獅子頭大好きです。

    実は水換えをしていたら、もう一つ丸い物体がポヨ~ンと側面に張り付いていました。別の水槽にも2つ同じものがありました。

    そっちの水槽は金魚3匹とドジョウ1匹。おそらく3匹ともメスです。やっぱり卵のようです。金魚部さんが言われるように水を汚さないためにも除去します。

    獅子頭のエサは「らんちゅうベビーゴールド」と「テトラらんちゅう」です。3匹の方はテトラフィン(フレーク)をドバッ!と適当に。でも底上げしたフィルター下に餌クズが溜まりますがドジョウが食べてくれているようでる。思ったより水槽はきれいに保たれています。

    ボトル・アクアリウムのタニシと同じでデトリタス食者なのかな?ボトルのタニシは驚くほど底のスラッジをキレイに掃除してくれます。ちなみにボトルの特大メダカ「ビグ・ザム」とチビメダカの「スレッガー中尉」はいつも快適です。しかしタニシがどんどん食してデカい「エルメス」になってきました。(つまらない追記を書いてすいません)

    [Quote]
    口で転がして移動して底に落ちた餌を食べます。
    起きている間ずぅ~っとやるので
    ガーガーうるさいですけど 隣の部屋に居ても 
    金魚も、がんばってるんだなぁと音で分かりますw
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    AG-51に大きめの姉金と朱文金が居ます。この2匹はいつもモグモグして、ペッ!と水槽の端へ吐き出しています。なので端が盛り上がり、真ん中あたりの小石がなくなってきます。特に四方が山になり2~3日に一度は均します。めんどくさい… (^^;

    それではまた。 (^o^)/

    1. 卵でよかったですね。
      水質も安定しているようで何よりです。

      僕もドジョウとかタニシを入れたみたいのですが
      タニシは苔を食べちゃうし、ドジョウは苦手なので
      金魚のゴミは金魚で制す!じゃないですが
      今はセコムさんよろしく小さな金魚達を各水槽に配備しています。
      落ちた餌とかを完全に食べてもらうように
      他の金魚が入れないゾーン全てに配備しています。
      しかし残飯も全てこのセコムさんたちが食べるのでセコムさんたちは巨大化してきました。
      エルメスなら・・・Mスーツ系ではなくMアーマー系ですねぇ・・・
      じゃあ 色が近いので僕のセコムさん達はグラブロにしときますw
      このグラブロ達が最近太ってきて可愛いんです。
      苔も自由に食べられるので色も他の金魚とは別の種類か?みたいに真っ赤です。

  3. 獅子頭大好きです。

    どうやらサカマキガイの卵のようです。
    タニシと形が違うので調べてみました。
    (タニシ、卵産まないし…)

    水草から持ち込んだようです。
    駆除の方法を調べてみます。

    (>o<) 痛い!!

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