【徹底比較】 夏の餌比べ 安全な餌は どれだ?!

尾腐れ病関連の記事の予定で準備していましたが
重要な画像が見つからないので別の記事を先に投稿させていただきます。
m(_ _;)m

food_testing_00
派手なタイトルですがやる事はシンプルです。
これまでブログで部分的に公開してきた
僕が生餌などを与える時は必ず事前に行っている餌の劣化テスト総集編です。
今回は初めて同時に全てのメジャーな餌を比べてみました。

エントリー

f_akamushi
#1 冷凍アカムシ

f_greenpeas
#2 グリーンピース

f_ami
#3 冷凍オキアミ

f_flake
#4 フレーク餌

f_mijinko
#5 冷凍ミジンコ

f_jupitor
#6 サターン(自家製肉瘤増強餌)

以上、現在稚魚に与えている各種餌を同時に比べてみました。

念の為
food_ami
オキアミとは
オキアミエビの事で、アミエビとも呼ばれます。
オキアミ目に属する甲殻類で金魚の人工餌に オキアミミール や オキアミエキス として添加されたり、冷凍餌や乾燥餌ではクリルという英語名で呼ばれることもある餌です。 全てが栄養とも言われる餌です。 今回は冷凍のオキアミを解凍して与えます。

※水槽内に起きる事をシミュレーションする為、使用しているのは飼育水です。
※以下の結果は投入する餌の量で変わります。 あくまで写真に写っている分量での結果としてご覧ください。 良好な結果が出た餌があった場合でも、入れすぎれば結果は最悪になります。 逆に悪い結果の餌も、大きな水槽に極少量入れるだけなら大きな問題にはなりません。

foodtest_day1
セットした直後に撮影
左列:上から(アカムシ、ミジンコ、オキアミ)
右列:上から(ジュピター、フレーク餌、グリーンピース)
です。
※薄いものは広がり上から見ると多く見えますが、塊としてはほぼ同じ量になるように入れました。

foodtest_day2
1日経過後
ほぼ全ての水が白濁しました。
英語ではクラウディーウォーターと呼ばれますが、主に腐敗細菌の増殖やそれらを含む細菌の死体がこの白濁を起こしています。 この後、これを食べる別の細菌やプランクトンが増えることで白濁は消えます。
※透明に戻っても正常化したとは限りません。
A) アンモニア地獄 になるケース
B) 水が腐ってしまうケース
というシナリオもありますので注意が必要です。

foodtest_day3
2日経過後
匂いがきつくなってきたものも出てきました。

この時点で オキアミ は脱落。
海外でクリルの名で人気の金魚餌ですが
オキアミは稚魚に与える際は注意が必要です。

実は今回のような実験を実施するきっかけとなった1つがこの餌です。
それまでにも似たような失敗を度々してましたが、これほどの被害が出たのは初めてでした。 真似する人が出てはいけないと記事に名前を出さないようにしていましたが今回の実験でその危険性を理解していただくチャンスだと思いリストに加えました。

前に成魚に与えてみた時は喰い付きが良くてそのまま毎日給餌していると1週間後に気が付いた時にはほぼ全ての水槽の水が腐っていたという事件がありました。 結局全ての水槽の水を総入れ替えして餌を控えていた水槽から順に正常化させた経験があります。 この時の冷凍オキアミは購入した1割も使用する事無く全て捨てました。

オキアミは、一見しただけでは分からないテロのような突発的な破壊力があると分かったので、それ以降はどんな餌でもコップなどの容器に飼育水を入れそれに新しい餌を入れたまま数日観察して変化を確認する事に決めました。

生で与える場合は、水質管理がとても難しくなる餌ですが海外では人気があるのでコントロールの方法はたくさん考案されています。どれも飼育環境を選ぶので水質管理に慣れない方は最初から水槽には試さないほうが良いです。

一方で水質管理が十分にできる方や稚魚飼育でほぼ毎回水を全て入れ替える方は、アカムシよりも安価で栄養価が高いので稚魚飼育には強力な味方となります。
これまでは成魚にしか与えたことはありませんでしたが
今年は独自の水質管理(全替えでは無い方法)のアイデアを思いついたので 実験的ですが、初めて稚魚にも与えています。
※チームK と チームC のみ大量に給餌しています。

team_k
▲こちらはリミッター解除で食べさせているチームK

team_c_ul
▲こちらは水質安定・カオデカ化重視の給餌のチームC

※両者共にコロコロしてきていますが その体形に差があまり無くて残念に思っています。チームKが少し肥えている感じです。 人生も稚魚飼育も、かなかな思ったようにはいきません。

実験の話に戻りますが・・

オキアミはこの時点で水が完全に腐り悪臭がたまりませんが、カビが出るかどうかを確認するためもうしばらく放置します。

food_juptor_dead
同じく サターンも脱落です。 
この餌は肉瘤を大きくする栄養素を調べだしてそれを多く含む食品をベースに考えたオリジナルレシピのジェルフード生餌です。(以前はヌカや小麦粉を使用していましたが今は寒天を規定量の1/6だけ入れて固めています。水溶性の食物繊維なので少量なら冬でも大丈夫だろうという判断からです。 アロエもすばらしいつなぎになりますがその独特の苦味から喰い付きが落ちます。) ※現在は単独で与えられるように増体用のジュピターも半分ほど混入しています。

こちらは水は大丈夫のようですがカビが生えてきました。 栄養価が高い分日持ちしない餌なので仕方ありません。 この餌を与え過ぎて過去に一世が重度の赤班病になりました。 
dekabutsu_tired
おかげで瘤が出て体も大きくなりオランダらしくはなりましたが、一歩間違えば全員を死なせていたと思います。 水質管理の観点からこの餌は最悪でした。

そして早くも人工餌が脱落。
こちらは自力で分解するとされている餌ですが何度確認してもそのような分解は起きません。 夏も冬も実験しました。 何か特殊条件で実験されているのかもしれませんが、僕の環境では普通に飼育水に漬けておくと劣化します。

foodtest_day4
3日経過後
food_greenpeas_dead
グリーンピースが脱落
水も臭く、カビも出たのでアウトです。
今回は細かく砕いていませんが稚魚に与える時は茶漉しで裏ごしして細かくしてから与えますのでもう少し傷みが早いかもしれません。 今回は成魚に与える時の大きさで確認しました。

・・・と、ここまでの餌は基本的に水槽内に残るとヤバイ餌といえます。
ですので毎回確実に食べられる量を与え、フィルターなどに吸い込まれないように工夫する必要があります。

foodtest_day14
13日経過後
アカムシ、ミジンコ共に問題なく分解傾向
(アカムシの入った水は少し生臭い状態です)

f_mijinko_ddown
▲ミジンコはプランクトンなので水を汚さず分解されてるのは昔記事に書いたとおりです。(ただし今回も初期の白濁は起きました。) 

同様に オキアミもかなり分解され小さくなりました。 オキアミは水を腐らせる問題さえクリアできれば本体は大きな問題になりにくいかもしれません。 これも何度か偶然シャーレに残っていたオキアミがカビる事無く日に日に小さくなっていく事に気が付いたので確認しました。 ここで確認しているほどの少量の場合は、カビを出ずに小さくなっていきます。

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▲意外だったのは アカムシです。
物凄く大量に入れると水質悪化を招くものの少量が消費されずに水中に残っても大きな問題を起こす事無く分解されるようです。 これも量が多いとオキアミ同様に酷い色になり異臭を発生させますが少量では挙動が違います。

ここではあくまで
(濾過装置に吸い込まれてしまった等)
何らかの問題で餌の一部を金魚が食べられない状況で
餌が水中に残ってしまった場合 どうなるか?(カビの有無・分解の可否)
と、飼育水そのものが変質するかどうか?を確認する目的で行っています。
※つまり、金魚が食べてしまう(消費される)事により排泄物等から起きる影響は考慮していません。

他にもこれまで、ヨーグルト、プリン、かにかま、かつお節等 様々な餌を確認しましたが安全と判断できたものは
緑餌(苔・藻・水草・青水沈殿物)以外ではプランクトン系の餌だけでした。
これに少量なら アカムシ も加えてよいかな・・・という感じです。

またブラインシュリンプのように淡水では長く生きられない活餌(※1)は水質悪化を起こしましたが、
生きた アカムシ、ボウフラ、ミズミミズ、ミジンコなどはそのまま放置していても金魚が見つけて食べるまでは生き続けるので水質悪化を心配しなくて良い餌として扱っています。 初めての方でも安心ですのでお勧めです。

※1・・・生き餌(いきえさ) と 生餌(なまえさ)が 一文字違いなので 生きた餌を 活餌 と表記しています。 

稚魚飼育で最も難しいのは 餌やり&水換え です。
このように基本的に水質悪化を起こさない餌だけを組み合わせると、水質管理は格段に容易になりますし稚魚飼育が初めての方でも安心して可愛い金魚を育てることが出来ます。

ここでお詫びと訂正です。
do-not-cut
2年前の稚魚飼育の記事で
アカムシをはさみで細かく刻んで与える方法をご紹介していましたが
あれは絶対にやってはいけない間違った給餌方法だとブリーダーさんからご指摘いただきました。
その結果、今年の稚魚飼育では既に記事にした
(→)小さな稚魚にアカムシを与えるとこんな事になります
のように刻む事無く与える方法に変更しました。
上記の実験結果はアカムシを刻まない事で得られるものです。
刻んでしまえば水が腐る方向に寄与してしまうので絶対に刻まないでください。
また探せば小さな冷凍アカムシも販売されているそうです。
僕のお勧めは、稚魚飼育の前(冬の終わりから春先)に飼育タンクに飼育水だけを入れてしばらく外に放置しておけばユスリカが大量に子供を産みつけるので壁面や底に大量にユスリカの幼虫が発生します。 これこそ稚魚の口に入る最高の活餌になります。 もちろん、そこまで口が大きくなるまではコケなどについているプランクトンが主になるので苔も生えているとベストです。(無理なら水草を買ってきて入れておけばOKです)

一方で、水質悪化させやすい餌は、それに手を出すだけで管理がとても難しくなるので手を出す前に飼育環境や水質管理の方法を良く検討して安全対策を講じた上で採用する事が重要です。

※今回の実験で カビが出た餌は水量に関係なく(大きな水槽に少量入れた場合でも)カビが出ますのでフィルター内や金魚が行けない場所に入り込まないように十分に注意して与える必要があります。

今年は一度油断して赤班病を出してしまいましたが、即日収束させ、それ以降は問題も無くアンモニアも未だにゼロを維持する安全な飼育が出来ています。
2年前の苦労が嘘のようにラクラクな飼育を楽しんでいます。

このように与える前にシミュレーションしてみれば どの餌が安全か良く分かりますので是非お試しください。

「【徹底比較】 夏の餌比べ 安全な餌は どれだ?!」への4件のフィードバック

  1. 金魚部様、こんばんは〜

    お忙しい中、お気を使わせてしまって申し訳ありません。
    お心遣いに感謝いたします。ありがとうございます。

    例の尾腐れの疑いの子ですが、その後、飼育水で様子見中です。
    明らかに点は増えていません。
    点も薄くなってきたような…?というところです。
    他の子に遷ることもないので、清潔を心がけて、様子を見ていきます。

    今回の記事、もし知らぬ間にフィルターに餌が吸い込まれてていたら…
    と考えると、ゾッとしますね。
    一応、スポンジフィルターをつけていますが、
    餌をきちんと食べ切るのを、自分が監視する、
    やはり、大量の餌は(一気食い)食べ残しも心配ですし、
    デメリットしかないのかな?と思いながら拝見しておりました。

    私は自宅で過ごす事が多いので、金魚部様の飼育マニュアルを参考に、
    1時間に一粒作戦で、毎日給餌しております^^
    餌タイムが日に何度もあるので、餌やりできるこちらも楽しいです。

    1. pipikoさん こんばんは。
      すみません、最も重要な写真が見つかりません。
      しかもマルちゃんがまた同じ問題を発症したようなので経過観察中でもあります。
      記事はもう少しお待ちください。

      >清潔を心がけて、様子を見ていきます。
      綺麗にしすぎてバクテリアが居なくなるのも怖いですので
      水質が安定するように餌を控えめで対応するのがベストと思います。
      ただ、少なすぎる餌は消化能力の低下から転覆病になりやすいので必要十分な量は与えないといけないのが難しいところですけど。

      >餌タイムが日に何度もあるので、餌やりできるこちらも楽しいです。
      それはいいですね。
      僕も仕事部屋に こもる時は餌を何度か与えますが
      基本的には1日2回をベースにしてます。
      こまめな餌やりと こまめな水換え は時々なら出来ますが1年を通じて継続する事がなかなかできないでいます、
      最近は金魚が泳いでいる限りOKと考えていますが、泳がずに底でじっと飼い主の動向をスパイし始めたら、金魚の裏をかいて死角からアカムシとか投入してやるようにしています。

      何にしても良い状態を維持して何年も経過させるのは本当に難しいですね。

  2. 為になる実験ですね。
    金魚に自家製飼料を作られているとは感服です。
    わたくしも以前実験がてら爬虫類のアオダイショウを日本津々浦々の産地別で合計20数頭飼育している時に自家製飼料を作りました。
    フードミルが大活躍のパウダー飼料でして、与えるネズミの腹に注入して給餌していたのが懐かしいです。
    これにより蛇とてその鱗の色彩、輝きをコントロールし、繁殖率と卵数を上げることが出来ました。

    金魚にはこのような実験はまだ試したことがありません。
    金魚部さんのこの時期の生餌についての実験は非常に興味深いものがあります。
    我が家はここまでバリエーション豊富ではありませんので恥ずかしい限りです。
    どんな魚にもいえますが、生餌と人工飼料を与えるとものすごく成長スピードが高まります。しかし、水質維持のことを考えれば季節ごとの餌セレクトをもう一回吟味する必要がありますね。

    1. オアナーザさんもいろいろ試されているんですね。
      僕は水質管理で悩むことが多かったので
      生餌を与える前に確認するようになりました。
      転びすぎてからで何ですが、これ以上転ばぬ先の杖です。

      基本的に水質管理がきちんと出来ない時や温存すべき時は人工餌を控えめに与えていればやり過ごせますし、早め早めの水換えも有効です。
      それでも目の前に季節の果物(前回はザクロだったかなと思います)とかあると つい「これを金魚に食べさせたら喜んで食べるだろうか?栄養価は高そうだし・・・」みたいな悪魔の囁きが聞こえ気が付いた時には小さく切り取られた季節の果物が水槽内をゆっくり沈下していく光景が目の前に・・・みたいな毎日でしたので 上記のような実験は常日頃から行っておいて危険性を自分に認識させて好奇心にブレーキをかけるようにしています。

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