酸欠を予防する、溶存酸素量を増やすアイデア

airation_zero
前回の
【ケーススタディ】大きな金魚が急死
の続きになる記事です。

金魚が酸欠で死ぬのは真昼よりも明け方

この件に関して調べた研究論文は全て水槽ではなく
池のデータでしたので多少違いを考慮しないといけませんが
自然の池の観察記録を見ていると
日の出の直前(朝の6時ごろ)が最も酸素が薄くなるようです。
これは主に池の中の植物などが酸素を作らず消費するためのようです。
また、意外にも最も溶存酸素量が多くなるのは 正午~午後2時頃でした。
温度も最高で溶存酸素が減りそうに思いましたが
飽和するレベルにまでは上がっていない事tと
太陽光が最も強いこの時間光合成で作られる酸素がそのまま溶けて
溶存酸素量を上げているようです。

ここで水槽の場合ですが、エアレーションと濾過装置が24時間作動していると考えると
太陽光の存在とは関係なく24時間ほぼ同じ溶存酸素量になるはずですが
これに苔や水草が大量にある場合などは
そこで生み出される酸素が加わるので池と同じように 正午~午後2時頃MAXになるはずです。
※同様に、これらの装置をOFFにしていれば上記のような明け方が最も危険になるはずです。

これを知るまで 溶存酸素を計測したり
金魚の体重と水量を割り出したりしていましたが
実際には 苔や水草が及ぼす影響がここまで大きいとは考えておらず
殆ど無視していた状態でした。

koke_plantation
実は水槽ではないですが、苔や藻を作っているコンテナ(金魚は居ません)の水中で飽和状態になり溶けきれずに小さな泡が無数に出来るのがいつも午後の一番暑い時間で、夕方には泡は消える事が多いです。
oversaturated_air
また飽和するところまで行かなくても、水面がドロドロして見えるのもこの時間が多いです。
(ここには金魚が居ないのでエアレーションはしていません)
almost6mg
そして驚いたのはこの時計測した溶存酸素量が6.0mg/L近い値だった事です。
エアレーションも無しで温度が32℃で6.0mg/L・・・
今は納得ですが、その時は、ただただ不思議でした。

これまで2匹の金魚を酸欠が原因で死なせたと思いますが
2匹とも朝起きた時に綺麗な状態で死んでいましたので
明け方くらいに死んだと思います。
というのも死んで時間が経過するとヒレ部分が溶けたようになったり
仲間に食べられたりするからです。

これらの事から
室内で水槽で飼育されている場合は
外と違い風も無いので
◆過密飼育気味(又は水槽が小さい)
◆苔が沢山生えている
◆青水飼育している
◆水草を沢山入れている
等の場合は、高温になる夏場は寝る前に音がうるさいからと
エアレーションをOFFにせず付けておくほうが良いと思います。
 
昼間はエアーがいるのでON
夜間は金魚も人間も寝るからOFF
・・・・と昼だけONにされている方はご注意ください。

昔は苔も水草も見た目が嫌いで一切入れないまま飼育していたので
多少過密気味でもエアレーションが止まって金魚が死ぬことはありませんでしたが
今のように水槽によってはジャングルみたいにしている場合は無視できないとようやく分かりました。

溶存酸素が危険なレベルの水槽とか

少し前にリサーチの中で面白い記事を見つけました。
それは金魚の水槽でのポジションと水槽環境の関係です。
金魚は
病気の金魚は浮いたままになったり沈んだままになったりしますが
健康な場合は水面付近や水底付近を自分で選んで生活します。
これを観察して水槽の環境を判断するアイデアです。

体温調節
特に太陽光が直射で当たる場合は注意が必要なのが水深です。
金魚は自分の体がオーバーヒートしないように水温が急に上がると
底のほうに沈んで自分の体を冷やします。
ですので直射が有る場合は水深が深い場所を作っておくか
それが出来ない場合は 一部でよいので完全に日陰になる場所を作っておくと
金魚は自分の体が危険な温度になる前に底か影の部分に避難します。
この事から、夏場など温度の上がる時は ストッキングで水面付近に拘束したり
ザルで隔離して沈めないようにしないほうが安全です。
もし治療で どうしても行う必要がある場合は、安全の為水槽全体を直射日光が当たらない場所に設置することが重要です。

酸素呼吸
同じ理由で 夏場など酸素が薄いと
金魚は皆水面付近に集まります。
これを知るまでは皆日光浴が好きで昼間水面に集まると思ってました。
でも酸素が薄い環境で起きる現象として研究者の間で認識されているようで
これが起きたらエアレーションを強くするか、可能ならエアレーションの数を増やすかして
溶存酸素量を増やしてやる必要があります。

このように金魚は自分が安全で快適な場所に身を置くので
金魚が底に集まっていたら水温が高くなりすぎていないか?
水面に集まっていたら エアレーションは十分か?など確認するサインと考えるとよいようです。
※これは一例なので他にも色々な理由があるようです。
 いずれの場合も 金魚が特定の場所にずっと居るのは良くないサインですので
 何か起きていないか探してあげてください。
※本件とは無関係ですが、寝ているときの金魚の場所でも
 水槽環境が正常か?金魚の体調が大丈夫か?など判断する方も居られるようです。

エアレーションによる溶存酸素量の違い

airation_fine
昔は細かな泡=酸素が良く溶ける と言われていましたが
あれ? って思うことがいろいろありました。
そして最近これまでに気づいた事を改めて確認実験して分かったのは

★エアレーションを最大にするには水面を最大限動かす事
★水槽水を対流させること(特に底の水を水面付近に運び続ける)
この2点をクリアすればエアレーションの効果は最大になります。

逆に
◇エアストーンで細かな泡を出すことは逆効果である事も分かりました。
これは泡が大きな場合と細かな場合で比べて分かった事です。
結局泡の大きさではなく、泡が運んでいる(エアリフトしている)水量が多いほうが酸素は良く溶けます。
つまり
◆水槽水を対流させる事(エアリフトも含む)
といえます。
また既に別の記事でも書きましたが
ここまでの定期的な溶存酸素検査の比較で
点より線、線より面が有利なのでエアカーテンのような
◆広範囲にエアーを出すほうが集中して1箇所に出すより効果的
同様に
◆1箇所より2箇所、2箇所より3箇所が効果的
◆エアーは強いほうが効果的
と分かりました。
どれも大きなエアリフトが起きるほうが有利であることを示しています。

結果的には全て最初の2つの法則
★エアレーションを最大にするには水面を最大限動かす事
★水槽水を対流させること(特に底の水を水面付近に運び続ける)
を成立させればよいといえるので、分かってしまえば当たり前の事ですが
細かな泡が良いとか信じていただけに
溶存酸素量を比較して得た結果には驚きました。

airation_bigbubble

次回はようやく これらを考慮した実例のご紹介です。

「酸欠を予防する、溶存酸素量を増やすアイデア」への2件のフィードバック

  1. 金魚部 様

    こんにちは。

    金魚を飼い始めて、初めての夏を迎えるのですが、
    溶存酸素量のことは、まったく無知でした。

    4月に孵化した金魚の2匹が、なぜか、ぷかぷかと浮き気味で、
    「どうしたもんかね」と思っていたところでした。
    (この水槽は、60リットルに水作2つをいれて、14匹を飼育中)

    浮き始めたのは、この急激な暑さが始まり、
    水温が30度近くになってからのことだったので、
    早速、水作を増量し(もちろん、マット座布団付)、
    エアーを全開にして、
    水面をゆらゆらさせてみたところ、
    今朝から、浮かなくなりました!

    ひょっとしたら、巨大水槽も溶存酸素量が不足する恐れがあるので、
    新たに水作を増量予定です。

    ほんとに、ほんとに、ありがとうございました。

    これからが夏の本番になりますので、
    どうぞお体にはお気を付けくださいませ。

    1. sh0345さん こんにちは
      浮くのがおさまって良かったですね。
      僕も現在は、水作が自社のサイトで説明している水作エイトのエアレーションの推奨強さの2倍~3倍くらいの強さで使用していますw 結構水面が揺れて酸素が溶けますよね。 夏はこの波で温度も下げられます。

      しかし
      あまり過度にエアレーションをするのも危険ですのでご注意ください。
      夜間は、(オキシデータ使用で無い限り)大丈夫ですが
      昼間の上げすぎに関しては僕は未経験なのでデータがありません。

      これまで読んできた本やレポートなどで最も懸念されているのは
      日中の最高水温時におきる過飽和による問題です。
      酸素を溶かすのがエアポンプによるエアレーションのみならほぼ起きませんが
      ◇濃い青水飼育+日光、
      ◇苔や水草がジャングル状態飼育+日光、
      ◇オキシデータ
      などを併用の場合はご注意ください。
      ・・・この記事も没にしたまま投稿してませんでしたね。

      また僕もこの溶存酸素を調べだしたのは去年の猛暑日が終わってからなので
      夏本番に関しては未知の世界ですし、
      意識して濃い目に酸素を溶かしだしたのは最近の事です。
      去年は普通に溶存酸素を4mg/Lでやりすごしましたので
      上げすぎによる弊害に関しては未だ分かりません。
      今のところ6mg/L程度なら特に問題は無いと思いますがこのまま1年は飼育してみないと・・・と思っています。
      特に6mg/Lに上げて冬を迎える事による弊害が何も無いのか?
      など未だ未だ情報が不完全ですのでご注意ください。

      金魚飼育は 全て適量が一番ですので
      例えそれが酸素でも
      過度に何かが多くなるのは避けるべきと考えています。

      とは言え、今のところは
      良いことが多く起きています。
      アンモニアが見たことも無い早さでゼロになったり
      どの金魚も元気いっぱいに泳いで、餌を喰い、糞をしています。

      色々書きましたが、この件に関してはスタートしたばかりで、まだまだ確認すべき事が沢山ある状態ですので、僕が1年以上サイクルさせて問題が無いという結果になるまでは、少しだけ警戒気味にこの件を処理していただければ幸いです。

      >これからが夏の本番になりますので、
      >どうぞお体にはお気を付けくださいませ。
      ありがとうございます。
      初老の体にムチうってがんばります。
      sh0345さんも金魚ちゃん共々元気にエンジョイしてください。

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