エアレーション無しでの飼育

noair_zero
少し前の投稿で書きましたが
半分程のタンクはエアレーション無しで飼育しています。
特にエアレーションが嫌いとかではないのですが
廃止できるかどうか?の判断も含めて
エアレーションが必要な条件や程度を理解する為に調べたり確認実験した結果です。
※これは別の記事の為の確認実験に関するもので、エアレーション無しでの飼育を推奨する記事ではありません。

本記事に書いている エアレーションを使わない飼育に関しては 
溶存酸素などを計測し安全確認したうえでの事ですので
それらを確認していない方は
必ずエアレーションを実施してください
さもないと金魚を死なせてしまう可能性があります。

 

安全の為、すべてのデータは掲載しませんので
いつものケーススタディとは違い、今回は
結果を見て擬似的に体験しながらの判断をしていただけませんがご了承ください。

ここまで夏(水温30℃)から冬(水温5℃)まで
エアレーション無しで 約6ヶ月飼育しました。
本来は猛暑日で水温も35℃を超える所までデータを取ってからとも思いましたが
いずれにしても安全の為、データは公開しないので
まずは現段階までに得た情報を記事にします。

明治から昭和の頃の飼育を調べる

最初に基礎的な知識を得る為
明治時代から昭和初期のエアレーションが無かった時代の文献から
どのくらいの水量でどのくらいの金魚が飼えるか調べました。
調べ方等、詳しくは
(→)図書館でのリサーチ

基本的には金魚の大きさ(体長)では不正確なので
金魚の体重で判断するというのが文献で行われていた方法論です。
また実験結果から
水槽内の金魚の体重の単純合計は酸素消費量にほぼ比例するらしく
大きな(重い)金魚1匹 でも 小さな(軽い)金魚数十匹 でも
体重の合計が同じならほぼ同じ酸素消費量と考えられるという事だそうです。
詳しくは図書館でお調べください。

文献には実験データが掲載されていましたが
ここでは危険を回避する為、数字は掲載しません。
これらの時代はバクテリアを利用した飼育ではなく
エアレーションも濾過も無しでの飼育が基本の為
水換えの頻度も違いますし、
金魚の寿命に対する考え方も大きな差がありますので
そのままのデータを採用するのは危険と判断しています。
つまり
考え方や方法論だけ参考にさせていただきました。

ということで
僕は自分の環境でどのような結果になるかに興味があったので
まずそれを調べました。
興味がある方は 以下に説明する方法でお調べください。

※無理な過密状態で調べると全滅する事があるようです
余裕のある密度で始めて金魚の
様子を見ながら徐々に増やしてください。

※バクテリア
また酸素を必要とするのは金魚だけではないので
余裕のある飼育密度で飼育できる場合を除いて
バクテリアの安定の為にも
普段はエアレーションを作動させておく事をお勧めします。

体重測定の方法

まずは体重測定をします
写真のように量りに容器を載せて金魚が居る水槽の飼育水を入れます。
この状態でゼロにします。
ここに金魚を入れてその重さを計測するだけです。
weight_prep1
▲容器を計りに載せます
weight_prep2
▲計測する金魚が居る水槽の飼育水を入れてから
スイッチONすることで
容器や入れた飼育水の重さを含んだ状態でゼロにします。

▼あとは金魚を入れれば計測できます
weight_ranchu
weight_2go
weight_albino
weight_aomiZu
weight_korokoro
weight_smallz
eight_blkranchu
▲みんな角が大好き!

体重の合計 ÷ 水量

次に目標のタンクの飼育水の
正確な容量を測ります。

金魚の体重の合計(g) ÷ 飼育水の総量(L)

で1リットルあたりに飼育できる金魚の重さが分かるので
基本的には1箇所測定すれば この数値(比率)を他の水槽にも適用できるというのが
文献に掲載されてれていたアイデアですが、水槽の形状が大きく違う、大きさが大きく違う場合は
個別にデータを取る方が安全だと個人的には思います。
5Lの容器と60L水槽では温度変化など様々な条件が違うので同じと判断するのは少し無理があると思うからです。

僕は数種類の容器で無理のないと思われる密度にして
エアレーション無しで6ヶ月ほど飼育してみました。

安全の為、溶存酸素量を確認する

溶存酸素量は高価な電子式のメーターを買わなくても
検査薬で確認できます(精度は低いですが状態を把握するには十分です)

o2testkit
▲僕はsera oxygen-Test O2 TEST を購入しました。

ここで1つ大きな問題(疑問)が出てきました。
計測を始めたのは猛暑日が終わった頃で水温が未だ30℃を記録する事もある時期でしたが
何をしても しなくても 溶存酸素の値が 4.0mg/L になってしまうんです。
o2test4

最初は
計り方が不味いのか?
検査薬が期限切れしているのか?
なども疑いましたが
そのまま金魚には問題が出ないので
エアレーション無しの飼育を継続しながら検査を繰り返していて
以下のようになりました。

検査結果に変化が出だしたのは秋ごろからです。
そして真冬である現在は明らかと言えるほどの違いが出ています。
どういうことかというと
夏は
◆エアレーション有り(普通の細かい泡)、
◆エアレーションx3箇所&強め(水槽内対流&水面流動)
◆エアレーションなし
等、飼育数以外にも 条件を大きく変えた飼育場所を測定しましたが
全てで 4.0mg/L でした。
※僕の環境&飼育水の場合です。

冬は
◆エアレーションなし
◆青水のみ
が 4.0mg/L~5.0mg/L になり
◆エアレーション有り(普通の細かい泡)
が 5.0mg/L~6.0mg/L
◆エアレーションx3箇所&強め(水槽内対流&水面流動)
◆青水&エアレーション強め(水槽内対流&水面流動)
が 6.0mg/L~それ以上
となっています。
※青水と表記のもの以外は普通の透明飼育水です。
※ここでも青水と透明飼育水との差が確認できませんでした。
ostest6

ここで思ったのは
高温時は酸素が溶け込める量が限られているので
水面から溶け込む量で十分に 4.0mg/L を達成してしまい
それ以上に何をしても許容溶存酸素量の限界から
数字が上がらない結果になったのではないか?と考えています。
逆に酸素が多く溶け込める低温時(秋・冬)は
溶け込む事ができる酸素の量が多くなるので
エアレーションを強めたり
青水を濃くしたりすることで
その分の溶存酸素が増え計測値が上がる一方で
エアレーション無しでは夏場と同じく水面から溶け込む量だけなので
同じような値に終始するのではないか?と考えています。

計測するまでは夏こそエアレーションが有効!と思っていましたが
僕の飼育環境での結果は
無しでも有りでも同じ溶存酸素量でした。
ただし、酸欠の問題が出やすいのは夏なので
無駄を承知で保険のためにエアレーションしておくのは重要です。

また計測中金魚の数を増やして数日後に確かめても
前回よりも値が小さくなったと判断できるケースはありませんでした。
金魚を多少増減させても溶存酸素が目に見えて変化する事は一度もありませんでした。

個人的な判断ですが、個体を限界まで増やしていき、それが原因で
もし溶存酸素量の検査値が減る事があるなら、
それは次の日には金魚が死ぬ条件になる気がしています。
というのも水面からどんどん酸素が取り込まれて一定の数値になっているわけですが
一時的にでもこれが減少するということは
消費量 > 取り込み量 と言えるので
徐々にゼロに近づく事を意味するように思うんです。
消費量 < 取り込み量 なら結局その時に溶け込める量まで酸素量が上がりそれ以上には、なれないのでその数値で落ち着くのではないかと思いますが
どうでしょうか?

そんな懸念もあり僕は
溶存酸素量の確認はあくまで安全な範囲かどうかの
再確認に利用しただけで、限界を探す助けとしては
利用していません。
また、安全な範囲でも以下のケーススタディのような問題が潜んでいれば
急激に酸素が減るらしいので注意が必要です。

ケーススタディ

ここで話が変わりますがこれまでにネット上(特にフォーラム)で
エアレーションが止まって金魚が死んだケースや問題が出たケース
も探して読みながら
何故かを1つ1つ確認してきました。

ケース1
◆死んだ金魚が引き金になる
冬などの低温時は問題ありませんが
夏などで30℃を越えるような時期ですと
金魚が死んでから腐敗して体がボロボロになるのに1日とかかりません。
この腐敗した金魚の体に爆蔵しているのが腐敗細菌ですが
これらは硝化バクテリアとは比べ物にならないスピードで爆増します。
腐敗細菌が増えることでこれらが大量の酸素を消費してその結果
他の金魚も1匹、また1匹と死んでしまい数日放置すればほぼ全滅という流れになります。
稚魚飼育の全滅のケースなどもありました。
これは
研究者さんのサイトによると腐敗細菌の爆増は大量に酸素を奪い取る原因になるので
エラの弱い個体が数匹死ねば全滅は時間の問題となるというメカニズムだそうです。
※これは引き金がエアレーションの停止かもしれませんが
 死んだ金魚が放置されていると水槽のサイズが小さい場合は
 エアレーションが機能していても同じ問題が出るそうです。

ケース2
◆水質悪化
すでに水を換えるべきレベルまで水質が悪化しているときに
濾過も無くエアレーションしていないと水の流動の無さから
金魚が病気になりやすくなり、死んでしまえばケース1のようになります。
これも例として
 ●1日コードが抜けていただけで金魚が死ぬケース
 ●メンテナンス不足の底面ろ過が原因のケースなどが
紹介されていました。
どれも通常の健全な飼育環境なら問題は出ないと指摘されていた例です。

ケース3
◆水面の膜
油膜などに代表される膜や、
たんぱく質などの有機物が分解されないまま水面に漂うドロドロに見える現象
これらが起きると水面からの酸素供給は極度に鈍化してしまうという事が知られています。
これは通常はろ過で徐々に分解され、エアレーションで水面の膜が壊されて問題は徐々に改善しますが
両者が機能していない場合は問題としてそのまま長い間残ります。

上記のケースはどれもエアレーションの有無以前に
水質管理の問題が出ている状態ですが
それでもエアレーションさえ機能していれば
救えたかもしれないケースです。

万が一の時を考える場合は
エアレーションで水面を常に動かしている事は
とても有効といえます。

溶存酸素を増やす条件

◆水面に風が吹く ※1
◆水面に水流がある
◆水面に落水がある ※2
◆水面が汚れていない
◆水深の浅い容器で上が大きく開いている ※3
◆バクテリアのバランスが安定している ※4
◆水中にも水流がある(水が対流している)

※1
扇風機を水面付近に当てるだけでも効果があるようです。
このときの風は 弱 でよいらしいです。

※2
飼育水を人力で混ぜたり、一度バケツに一部を抜いて
勢い良く別のバケツに入れ換えるだけでも酸素が溶けます。
勿論金魚は居ない状態で行います。
昔は塩素もこの方法で抜けると信じられてきましたがそれは無理なようです。
塩素は日光に晒すか エアレーションで抜くかが必要です。

※3
これは程度の問題というか
今回のように溶存酸素を実際に調べていると
バケツでも水槽でもコンテナでも特に溶存酸素が数値で大きく変わる結果は出ませんでした。
理論的にはそうですが水面部分が極度に先細りしていない限り大差なしと僕は思いました。

※4
硝化サイクルなどのエコシステムを利用して飼育する場合最重要です。
何故ならこの方法では水を毎日換えないので水換えまでの間バランスが保てないと
雑菌(腐敗細菌なども含む)が増えるようになるとこれらは硝化バクテリアよりも
増殖スピードが格段に早いので短時間で爆増しそれだけ多くの酸素を消費してしまい
金魚に必要な酸素を奪いとるからです。

問題がある条件

◆高温時(溶存酸素が減る)
◆水換えをサボっている時(溶存酸素が減る)
◆餌を与えすぎた時(雑菌の爆増の可能性)
◆水槽が立ち上がっていない時(雑菌の爆増の可能性)
◆立ち上がって間もなく不安定な時(雑菌の爆増の可能性)
◆金魚がエラの病気(酸素が吸収しにくくなる)
◆粘膜保護剤を入れているとき(酸素が吸収しにくくなる)
◆青水の夜間(未確認:これだけは未だに一度も透明水との違いが出ていません)
◆タンク上面に蓋や蛍光灯などが被さっている(新しい酸素が溶け難い)
◆部屋の空気齢が異常に高い(酸素が吸収しにくくなる)
◆水面に膜や有機物浮遊がある(酸素が吸収しにくくなる)

上記で
(溶存酸素が減る)時は金魚が鼻あげを始めるので
近くに居れば直ぐにエアレーションをする事で救えます。
(酸素が吸収しにくくなる)場合も問題を即座に除去出来る場合は救えます。
が、
(雑菌の爆増)が出た場合でエアレーションが無い場合は
急速に酸素欠乏状態になるくらい急な変化になるので
エアレーションをしていて何とかなるか?駄目か?らしいので
この状態にならないようにしっかり予防しなくてはいけません。
起きてしまった場合は 水換えで対応します。

このようにエアレーション無しで飼育できるかどうか?は
多くの条件の組み合わせで結果は大きく違うので
各自の飼育環境や飼育水の状態で結果が大きく変わるので
上記のような手順で各自で調べる必要があります。

「エアレーション無しでの飼育」への2件のフィードバック

  1. 金魚部さん、こんにちは。
    さっそくの記事、ありがとうございます♪ ( ^^) _旦~~

    ぶくぶく無しでは、心配で心配で、とても怖くてと思っていましたが
    ある時ふと、もしかして金魚達に負担をかけている?
    って不安に思うほどのエアレーションをしているかも?
    と、感じたのがきっかけなんです。

    そうなんです、金魚部さん。
    金魚部さんの記事を読みながら、私、気がつきました。
    エアレーションの有り無しって言う単純な「二者択一」ではなくて
    エアレーションも含めて「今日」この環境が
    はたして金魚達にあっているのか?と言う日々の選択なのではないかと。

    水質からして違う個々の水槽内の環境もさることながら
    縦に長い日本の地形、3日の間隔で移ろってゆくと言われる季節・気温、等々
    毎日が判断と選択と確認のくりかえしなのかもしれませんね。

    お忙しい中、いつもありがとうございます。
    一人では思い至らない方向を金魚部さんが広げてくださるので
    視野が広がるのがとてもありがたいです。
    我家にあった環境を研究してみますね!

    ではでは、さらなるご活躍を~~!(^▽^)/

    1. 蓮茶さん、コメントありがとうございます。
      そうですよね
      環境が常に変化しているという事実は重要ですよね。
      今日大丈夫でも明日はどうか分かりませんしね。
      僕が個人的に思うのは
      少しでも余裕があればミスをしても金魚を救えるということです。
      逆にギリギリの状態で何とか生かしている場合は
      1つのミスが致命的になります。
      僕はよくミスを犯すので、
      できるだけ余裕がある状態にするようにしています。
      エアレーションを止めているタンクでは
      餌を控えめにしたり、
      冬でも週に2回とか3回水を換えたりしています。
      (特に水面のゴミを綺麗にするようにしています)

      是非いい環境を見つけてあげてください。 (・ ― ・)/

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