pHの謎: 酸性?アルカリ性?飼育水は大丈夫ですか?

pHを測るのに流水はNGなのでグラスに入れて60秒後に読みます。邪魔臭いです。
▲pHを測るのに流水はNGなのでグラスに入れて60秒後に読みます。邪魔臭いです。

pH
水の状態を知るのに最も重要な指標です。
もちろん、問題が出るごとに確認していますが
これまではいつも7.0でした。時々6.5が出る事がありますが殆どのケースで7.0でした。
しかし最近は6.5とか6,4(別の試薬)が多くなり
ついに6.0まで出るようになったので気になりだして
関連しそうな全ての項目に関して調べてまとめました。
《2013.09.27 all contents have been revised》

水道水がきちんと7.0なら定期的な水換えで7.0付近をキープできますが、そうでなければ水換えの度に狂う事になります。
※この話は検査キットでの計測なので7.0の次は6.5と0.5刻みの簡易検査なのであくまでアバウトにしか分かりません。
本当にシビアな計測が必要な場合は電子式のpHメーターを使用しなくてはいけないです。

話がそれましたが、このpH、安定しない方にとってはとても大きな問題です。
何故なら以下に示すようなトラブルが起きるからです。
pHが安定しない、極度にどちらかに傾く方は参考になさってください。

酸性<中性<アルカリ性

pH(ペーハー又はピ-エイチと読みます)ですが7.0は中性を示します。
数字が上がればアルカリ性
下がれば酸性ですが、水槽飼育では最も重要な水質を判断する指標です。

通常水が古くなると徐々に酸性を示す傾向があり
これを目安に水を換える方も居られます。
そんなpHですが中性から大きく離れると問題が多いので
そのことに関して。

pHが高すぎる(アルカリ性に傾き過ぎ)と起きる問題
金魚への影響
◇粘膜過多
◇水面でエア喰い
◇アンモニア中毒(ろ過サイクルが未完成時、ダメージを受けた時)
◇死亡

pHが低すぎる(酸性に傾き過ぎ)と起きる問題
金魚への影響
◇粘膜過多
◇食欲不振
◇孤立、底で動かない
◇ヒレに血管のようなスジが出る
◇死亡
バクテリアにも悪影響が出ます
◇6.5を下ると濾過バクテリアの機能が徐々に低下し最後には停止する
◇5.5を下ると濾過バクテリアは分裂できなくなる=サイクルが完成しません

果物禁止令

果物は金魚に与えてはいけない餌リストに入っていますが
pHが強く酸性に傾く事が知られているためです。
しかし健康にいいからと与える事を推奨する方も居られるので
好奇心が強い方は注意です。
特に、ブドウは皮をむいて与えると喰いつきがいいとか
りんごは薄くスライスすると美味しそうにバキバキ食べるとかの 
悪魔の囁きを見ても真似しないでください。
どうしても行う方は 
必ずpHを確認して問題が出る前に水換えを実施してください。

アンモニア中毒

この場合の問題はアルカリ化です。
通常ならアンモニアは水に溶けてアンモニュウムイオンの状態ですが
アルカリに少し傾けば猛毒のアンモニアに戻る量が急増します。
以下は別の記事のために入手した指標ですがこれを見れば一目瞭然です。
温度が上がれば・・・
pHが上がれば・・・という風に見ていただけば分かると思います。
pH上昇(アルカリ化)の影響が物凄いのが分かると思います。

表 ph、水温、総アンモニアの問題値の例

pH 水温20℃ 水温25℃
6.5 15.4 11.1
7.0 5.0 3.6
7.5 1.6 1.2
8.0 0.5 0.4
8.5 0.2 0.1

(Thomas Nartenさん調べ)
これはあくまで参考です。
詳しくは
(→)アンモニア中毒
を参照してください。

水道水・井戸水が元から7.0を示さないケース

水換えで狂うと言うのは
基本的にいろいろと問題ですが
この問題は世界的には意外に良く見ます。
あまりに酷い傾きがある方は pHを7.0に戻す薬品などを使って飼育されているようですが
これは最も避けるべき選択肢でpHを薬品で変更すると効力を失う時に非常に危険なタイミングが出来るので
可能な限り飼育水の元になる水のpHそのものが7.0に近いものをご利用ください。
例) 水道水と井戸水が選べる場合は水道水を利用する等
勿論、井戸水のpHに問題が無ければ構いません。

また、日本では水道の場合は結構適当な基準のようで調べた限りでは5.8とか7.5とかもあるようです。
また厄介な事に安定した数値では無い事も最近知りました。
つまり年中数値が変化しているので水質検査で水槽水が異常な数値を示すようなら
水道水をまず検査してみてください。
僕はこれで水道水が6.5を示している事を突き止めました。

井戸水の場合も苦労されている例を多く見ました。
自分で検査している方も多くブログやHPにデータを公開されています。
日本では多くは雨水や土と同じように酸性を示す傾向があるようですが
海外ではアルカリ性のケースも見ましたのでまずは検査して確認してください。
水換えや塩水浴のたびに大きくpHが動くのは危険ですので必ず把握してください。
また上記のように極度に酸性を示す場合は濾過バクテリアが生きられませんのでエコシステムを利用した飼育はできない事になります。 もちろんここまで傾く事は少ないと思いますが雨水の検査でpHが6.0を示すのはよくある事なのでこうした水を室内水槽に流用する際も確認が必要です。

これらは金魚を飼育する(個体購入の)前に是非ご確認ください。

ろ材・底砂利・ソイル

市販されている ろ材・底砂利・ソイル等はpHを安定して弱アルカリ性や中性や弱酸性に調整できるものがあります。これを使えば化学薬品のように急に魔法がとけたように元に戻る事も無く、また多くは急激な変化ではなく徐々に目標の値へと移行する為利用が推奨されますが、やはりこれらに頼らないといけないほど元の水のpHが傾いている場合は、水換えや塩水浴の度にpHショックの懸念が出るのでこのようなものを利用する場合は溜め置き水にも同じものを使用し少しでも差を無くす等する必要がありますが、初心者にはとてもハードルが高く、カルキ抜きなどで緊急に水を作れないと言う事になるので 早めの水換え、安全な予備水の常備、計画的な餌やりなどの管理などミスの少ない先読みの出来た飼育法でサイクルさせていく必要が出ます。
予定外の水換え等がほぼ不可能だからです。
ですのでこれらのろ材・底砂利・ソイルを利用の際元の水のpHから可能な限り大きくない変化で、かつ、金魚に安全な範囲に落ち着くものをお選びください。

僕はこれらの製品に魅力を感じますが、水道水が6.0などを示している時期に水槽内が7.0以上だったりするとやはり心配なので現在全てのろ材はpHを全く変更しない化学組成のものを利用しています。
また実際は1.0程度の差異では問題が出無い事も確認しましたが pHショックがどの程度の差異で出るかを実験で確かめる事はかわいそうで出来ない為、実際どこまでOKで何処から危険かはリサーチで調査中です。

溶存酸素量

水に溶けている酸素の事ですが
これが増えると0.5~1.0ほどpHをあげる
つまりアルカリに傾く
と言われています。
次の項目の青水の場合は更に高いpHになる事もあるようです。
最近はこの数値も検査していますが
今のところネットで見るような極端な過飽和状態も酸欠状態も見たことが無く
殆どのケースで4.0mg/Lを示しています。
※現在は濾過システムを更新し溶存酸素量を上げられる自作のものにしたので
  基本的には全て真夏でも6.0mg/L前後の数値が出るようになりました。
  一部、水作エイトのみの水槽は4.0mg/Lのものもありますが 
  こちらもエアーを強くして水面を大きく流動させたり 
  2つ以上配置して効率を上げたりしています。

青水

コレだけはリサーチでカバーできていません。
昼間の光合成による酸素の過飽和で
pHが10.0とかに上がるという事があるという事を知りましたが
それと総アンモニア中のアンモニア量との関係性が分かりません。
アオコはアンモニアを吸収するという事なのでこの件との関係性もあり
危険なのか?安全なのか?理論的に成立する説明が出来ません。
普通なら即死する濃度のはずですが生きているという事は
何かが違うのか? アンモニアが極度に下がるのか?

少しだけ青水飼育のデータを取りましたが
pHも透明飼育水と大きな違いは無く
アンモニアも極度に高い濃度のものを入れましたが
それが次の日にゼロになるような事もありませんでした。
同様に昼間でも酸素量が極度に上がる事は無く
pHがアルカリに強く傾くという結果も今のところ出ていません。
つまり今のところデータが示す透明飼育水との違いは
何もありません。
この点に関しては少しデータを取っただけなので
今後飼育しながら様々な状況で比較してみたいと思います。

簡易検査の選択肢いろいろ

pHメーター
最初にも書きましたが金魚以外も同居させていて正確なデータが必要な方は信頼できるpHメーターを入手する必要があります。
また他の計測機器とは違い、校正処理が必要なので
標準液で校正処理して使用しますが電極の劣化が進むと交換するか新品を購入する必要もありますので
この点が良く分からない方は良く調べて理解してから購入してください。
簡単に言えば機器のメンテナンスが正しく出来ないと大きく誤った数字を読み続ける事になります。

6in1, 5in1
ph_6in1
僕は金魚飼育にはそこまでシビアに0.1刻みでpHを知る必要は無いと思うので簡易検査をお勧めします。
しかし簡易検査でも少し不安が残るのがこの複合検査キットです。
例えば5in1 や 6in1など幾つかの検査が1つになっている場合、隣の試薬が溶け出してpHの色を変えてしまうことがありますのでできればpHだけは専用の検査キットを入手するのが良いです。
もし確実に検査したい場合は邪魔臭いですが全ての検査試薬を1つ1つ独立するようにハサミで切り分けてピンセットで掴んで個別にテストしてください。 pH専用の試薬をお持ちではない方の場合は、信じられない結果が出たときなども同じようにして確かめられます。

pH専用ストリップタイプ
ph_no2_no3
ph_3col
僕は現在pHのみを測るのにストリップ式で3種の試薬が塗られたものを60秒間飼育水に漬けて3つの色で確認するものを使用しています。 1色で判定する6in1とは違い3つの検査薬の色で確認するのでより安心です。

pH専用液体タイプ
お勧めはこのタイプです。
更に正確に検査する為には液体の試薬を混合するタイプがあり、こちらは更に確実な結果が出ます
ストリップとは違い、色を見間違う可能性は、まずありません。 

理科の実験関係
少しでも安いものを見つけて紹介できればと思い探しました。
安いものは多くありますが、それぞれ問題があります。
pHはアクア以外でも検査されるので調べれば安くで色々な試薬や検査キットが出ていますが理科の実験のようなキットは買わないでください。 金魚飼育で検査する場合は少なくともおよそのpHの数値がわかる必要があります。 リトマス試験紙のような酸性かアルカリ性かを判定するだけでは役に立ちません。 また金魚飼育で検査したいのは5.0から8.0程度の限られた範囲です。この範囲の外はあり得ないほどの大問題なのでpH=1.0とかpH=12.0とかは測れなくてOKです。 またできれば少なくとも0.5刻みで測れるほうが便利なので刻みが1.0以上のものは使い難いと思います(多分役に立ちません)ので 少しだけ高いですがアクア専用のものが良いと思います。
勿論、他業種のもので上記のような範囲で0.5刻み以下で安価なら問題はありません。