ケーススタディ: 太らせても転覆しない餌探しの旅(実例編@ビューラーちゃん)

もともと、転覆第1号だったのがビューラーちゃんですが
転沈館には送らずシェルターで生えさを中心に育てていました。
特に苔が良い結果になったのでまとめ投稿します。

まず最初に ビューラーちゃんの体形の変化を見てください。


▲デビュー前のビューラーちゃんです


▲ビューラーちゃんの色が変わりました


▲苔喰いデビュー当初の体形です


▲かなりふっくらしてきました


▲すでに体は球みたいになりました


▲下から見るとこんな感じけっこうピンポンパンパンです。

このように急激に太りましたが転覆はしません。
ちなみに転沈館のメンバーは少し寒くなると フラフラ ユラユラ しながら泳いでいます。
勿論、転沈館の名に恥じないように時々転覆してる仔も居ます。

何が違うかと言うと 食べている餌の種類とその消化能力の高さです。
食べたものを長く残すことなく糞にして出すので食べても内部で浮き袋を圧迫したりしないしガスも出ないということです。
面白いのは苔で活性化された消化能力のために他の餌もかなり早く消化して出している事です。
特に粉餌が分かりやすく、そこだけ色が餌の色になるので、「もう出てる!しかも太い!」と毎回見て驚きます。
ちなみに同じ比較している他の水槽で次の日に細く弱い糞が出ることもあります。

もともとの話から説明すると
ある研究者の方々の論説に興味が出て自分でその理想をかなえる餌を探していました。
その内容を要約するとこうです・・・(それぞれは別の研究者の方の言葉、説です。)
1)”金魚は極少量の餌を常に食べ続けて、常にそれを消化し、常に糞を出すことが最も健康的に居られるように出来ている”
2)”餌は朝に1度だけ沢山与えるよりも、1日に何度かに分けてその量を与えるのが良い”
3)”水分を含まない粉餌は原料が何であれ、生餌とは比べられない程 消化に時間を要する”

この3つがとても気になり、いろんな餌を試していました。
まず、1)ですが 昔は長い糞をすると病気だと言われていた時代があったようですが
これは間違いらしく、金魚には糞を切る機能が無いこと、常に消化して糞を出すことは健康を知る1つのサインであることから 長い糞を出すことが良いという結論でした。 
また、空気が糞に入るは悪いサインですが、これは消化が継続されず一時停止し、その間にガスが入る事が原因なので、この事からも糞が止まらずに出る長い糞は健康のサインといえます。
2)は究極の理想論で言えば1日1回より、数回。 1時間に1回より数回。1分に1回より数回・・・・
つまり極々微量を延々と食べさせられればベストということらしいのですが
フードタイマーなどを駆使してもそこまで細かくは物理的に無理なので
生きた餌が少量ずつ金魚水槽に流れるような仕組みならどうだろう? とか空想したりしていました。
3)は良く言われる 胚芽入りなどを与えても低温時の消化不良が防げない問題で人工飼料の多くが抱える問題なので 僕は生えさを試しながら答えを探していました。 リサーチとココまでの経験で思うのは、消化を早める為には殆ど液体のような餌で無いと駄目なので、簡単に手に入る中では赤ムシが1番良いのですが少量ずつ与えることが出来ないので他の選択肢を探していました。 実は最終手段で全てを粉々にして吸水させて柔らかいジェルフードとしてゼラチンで固めて与えようとまで思ってフードプロセッサーも購入し、準備しましたが苔でまずまずの結果を得たので保留にしています。 どうしても必要以上に高タンパクになってしまうジェルフードには独特の問題があり、それをカバーする対策が無く下手に与えると最後は肥満死させるらしいので躊躇していたのもあります。

※ちなみに1)や2)の論者によると餌切りは間違った飼育法だそうです。
特に長い期間餌を切ると消化機能が退化して更に深刻な症状が出るという考えがあるようです。 僕は、消化不良が原因である場合の転覆病の治療で絶食は一定の効果があると思うので この説は100%同意とはいきませんが、ここまで、彼らの論が正しいと痛感する事ばかりなので 100%否定も出来ない気がしています。 全体的に理論的で納得できる理論展開をされているので、餌切り後など、この説の事を気にしながら観察しています。

しらす、かつお、煮干、魚の身(ボイル)、えび、シーチキン、外で大量に沸いていたボウフラまで・・・
カルシウム&蛋白源を中心に、いろいろ試しましたがそんなに消化が早いものは無く殆ど赤ムシと同じ程度かそれ以上の感じでした。
※これらは1つのグループに色々与えるのではなく、1グループ1品で実験して来ました。
例えば シェルターは苔、青コンテナAはボウフラ・・・みたいな感じです。
〇 ボウフラが青コンテナの数匹を転覆させたのにも驚きました。直ぐに治りましたが消化しにくいのでしょうか。
〇 シラスや魚の身、煮干などは最初、食べずに残す事も多かったので必然的に量を減らすようになった経緯があります。
(1日に何度も給餌する必要がある餌は継続できないのでその時点で僕の選択肢から外しています)
〇 また煮干しなどは一度ボイルして吸水させて柔らかくしてから与えています。

そして結果に気が付いたのはシェルターの苔を傷つけてしまった数日後です。
また苔だけは自然に生えてくるので、未選別B(収穫完了)と転沈館でも順に収穫できる予定です。
苔に関しては別の投稿に書きますが、結果的に食べている魚は、どの魚もかわいく太りました。
一見して分かるのは太さや大きさより、糞を常に出している点です。
信じられない事に体が曲がっていた稚魚の沈没も治りました。
(温度上昇など複合要因もあります)
飼育初期は不治の病だったのに・・・不思議です。

また、苔を食べている金魚の、特筆すべき点はその糞の量です。
シェルター12匹で転沈館の70匹の糞よりも多くの糞をするだけでなく
朝スポイトで全て吸い取っても夕方には積もるほど糞が出ていることです。
これは食べている量が多いことと、消化能力が高いことの両方を示しています。
普通の餌は全ての稚魚に平等に与えているので苔がこれらの糞の主成分です。
※この投稿だけを読まれた方への補足ですが、僕は大きく育てたくないので餌はとても少量しか与えていません。 3ヶ月以上経過して体長1cmを少し超える程度です。ですので糞の量も殆どの水槽でスポイトで数回で吸い取れる量しか出ません。 お腹を空かせた大きな魚などが一部食べていると思います。 そんな中、シェルターという12匹しか居ない5リットル程度の入れ物で毎日大量の糞が出ています。

ここで1つだけコントロールできていない条件があります。
苔だけは苔を気に入った魚(=ビューラーちゃん他10数匹)がどんどん突いて食べる為、他の餌とは比べられない量が供給されている点です。
他の餌は僕が少量ずつ与えているのでそれを超えて魚が口にすることは出来ませんが苔だけは水槽内にあるものなので・・・・
それでも良しと結論付けたのは糞を出すまでの時間の早さ、そして結果的に処理できている量が多いこと、現在まで問題なく継続している事です。
※他の餌でこの消化スピードや量を超える可能性が感じられるものは今のところ見つかりません。
他の選択肢も理由があって選んでいるので捨てがたいのですが、しばらくは苔に注目していくつもりです。


▲糞でフラフープをしているビューラーちゃん お年頃のダイエット対策なのか?

最後に 動くビューラーちゃんをご覧ください。
かわいいです!

▲途中に出てくるエアチューブやラバーストーンで分かると思いますがビューラーちゃんは(尾は少し出ますが)体だけなら10円玉より小さく、他の稚魚は更に小さいです。