ブラインシュリンプの孵化の10の条件

上手く孵化しないと稚魚に満足に食べさせてあげられず困ります。
少しでも孵化率を上げようと思い様々な条件に関して改善してきたので
同じく困っている方の役に立てばと思い公開します。

【条件10項目】
まずは孵化を失敗したり孵化率を下げる10の条件(原因)を挙げてみます。

温度不適切
購入した卵のパッケージに記載されている温度が適温なので、
可能な限りその温度を保たないと24時間で孵化しません。
僕は今回は適温+2℃で固定する事に決めました。
皿式などのように数日待てば孵化するかもしれませんが塩水を利用してるので
2日以上して孵化しないものは親へのご馳走にしています。
寒いときはヒーター使用ですが気温が上昇したら孵化率は安定して上がります。

日照不足
太陽光に当てると孵化率が上がるそうですが、
必要なのは光のようなので曇りの日や夜もLEDで照らすことで
この条件を安定させるようにしています。
現在は家庭用の電球型LEDで十分に安定しているので
水面で最低何ルクス必要か?などは調べていません。

酸素不足
分岐を使うとどうしてもエアーの効率が落ちるので、
今回は各容器に対して独立したエアレーションを使用します。
分岐を間に入れているけど1つしかつないでいない方は是非外してみてください。
エアーがかなり強力に出ます。
分岐を通過する時にこれだけロスが生じるので2つつないでロスも出てとなると、
エアーが不足する事もあるので注意してください。
十分に大きな容量があれば気にしなくて大丈夫です。

塩分濃度不足過剰
2%(1リットルに対して20g)という指示なので守っています。
いろいろ調べたら多めでも孵化への悪影響は無いようですが、
足りないとか過剰な場合は孵化率が低下するようです。
(この内容はパッケージ指示の2%を守るので検証していません)

塩水の量不足
これは今回の検証で明らかでした。
塩水500mlに対してブラインを耳かき4杯入れたものの孵化率は、
2杯のものに対して劇的に悪く、塩水を1200mlに上げて4杯入れた場合は、
改善されました。(他の条件は固定して比べました)
24時間以上かける場合は特に塩水は多めにしたほうが良いようです。
2日目で白く濁る場合は少なすぎるサインです。
多くする事で劇的に改善されます。

塩水の鮮度
これは去年、塩水を作るのが面倒で前日のものをゴミだけ取って再利用したら、
次の日全く孵化しませんでした。
古いものや劣化したものは白く濁り泡が出やすくなります。
ちなみにそうなってしまった後で新鮮な塩水に入れ替えても孵化率は上がりませんでした。
その後12時間まわして目に見えるのはほんの数匹孵化したような感じです。
(実際は何百匹でしょうけど明らかに少ない印象です)
塩水は毎回清潔で新鮮なものを作る事が大切です。

容器や器具の汚れ
容器の内部を綺麗に洗わない場合なども塩水が白く濁り孵化率が劇的に低下しました。
上記の2つの条件をクリアしているのに白く濁る場合は、
何かが清潔ではないサインなので次回は良く洗うとよいです。

対流不良
エアレーションが十分に強くても一部に安全地帯ができてそこに卵が24時間動かず固まっているとそれは殆ど孵化しませんでした。
全ての卵が対流するような容器を選べば改善します。
今回は四角いポリ容器や丸いガラスのビンなども試しましたが、
僕の現在の条件では逆さにしたペットボトルが一番孵化率が良いですが、
エアストーンの種類やエアーの強さも関係するのでそれぞれの環境で比べてみてください。
細かい事ですがペットボトルを使用の時は、
水やお茶用ではなく炭酸飲料用がお勧めです。
PET素材は内部から圧力がかかると強くなるので炭酸飲料のPETは薄く凸凹がありません。
一方水やお茶は圧力が内部からかからないのでぺこぺこする為PETは厚く凸凹をつけて強度を上げていますが、この凸凹に卵がつもり安全地帯ができやすい事とバケツにヒーターを入れて加温してる場合PETが厚い分温度の伝わりが鈍くなります。
もちろんどちらも、どマイナーな話ですが、”少しでも”孵化率を上げたい場合には考慮しても良いのではないかと思います。

エアーストーンのつまり
独立したエアレーションにして、容器もベストな大きさや形状にしても、
空気の出口になるエアーストーンが汚れたり目詰まりしているとやはり孵化率が低下します。
文字通りの石のタイプは歯ブラシで毎回よく洗い、エアーチューブを口で勢い良く吹けば目詰まりしたものが飛び出して取れて綺麗にエアーが出るようになります。
また使用するエアーストーンはある程度勢いがあるものの方が良いので、
高価なマイクロバブルがでるようなタイプより安物のほうが良いです。
僕は安い石のタイプとラバー製のものの2種を現在比較していますがどちらも正常にエアーが出ている限り大きな差は無いようです。

卵が古い(または保存状態が悪い
これは自分では実験していませんが去年の残りなどは孵化率が悪いと聞きます。
僕は前年の卵が余った場合も全て使うために毎日孵化させて親に与えて使いきります。
(検証していませんが根本的な原因だけは避けたいので毎年新鮮なものを買うようにします)

これ以外にも

◇使用するスポイト内部の汚れ
糞処理などに使用したスポイトで作業すると中に残ってた糞が混入したりして食塩水が濁る原因になるので、スポイトはこの作業専用のものを使用しています。

◇ヒーターを使用している容器の保温状態
ヒーターを使っているバケツは梱包用のスチレンラップを巻きそれを別のバケツに挿入して2重構造にして保温し上部は光を通すフタとしてラップを何枚か巻いて保温しています。
夜間の保温効果が上がり温度が安定します。
日中もこの方法のほうが何もしていない時に比べて水温が安定します。

【孵化率を上げる裏技】
あとはキッチンハイターで卵の殻を溶かして孵化率を上げるという
過激なイメージの裏技だけ試していませんが、
新水は2日間エアレーションしてハイポすら入れないようにしているので、
ハイターの残留が怖くて実験すらしていません。
悩みすぎてブラインが夢に出るようになれば実行しようと思いますが、
現在は安定して毎日新鮮なブラインが採取できているので多分やりません。

【ブラインが孵化しなかった時の代用】
冷凍ブライン
市販の冷凍ブラインを与える方もおられますが、
成虫なので孵化直後の幼生になる前の赤ちゃんが下部に蓄えている栄養分はゼロです。
甲殻類が体内に持つ他の栄養素(たんぱく質・カルシウム・タウリン等)のみ摂取できますが、
金魚の稚魚からすれば味が違うし・・硬いし・・別の食べ物と認識してしまうと思います。

それとは別にベビーブラインシュリンプを冷凍した製品もあります。
使用したことはありませんがお店で見ると普通のものよりオレンジが濃いので目に付きます。
これは赤ちゃんが蓄えている栄養分を持ったまま冷凍されているでしょうから稚魚的には同じ味と感じるかもしれません。
使用したことは無いので分かりませんが、製品があるという事だけ書いておきます。

卵黄
硬くゆでた ゆで卵の黄身の部分をすりつぶして与えるという方法が、
養殖業者さんなどにより行われていてブラインと並んで人気の稚魚えさです。
しかし最初に生きたブラインの赤ちゃんを与えると卵黄には、なかなか食いつきませんし
一度口に入れても「うっ!」って吐き出す個体も居ます。
もちろん与え続ければ食べますし栄養化も高く消化も良いので僕はこれを代用しています。
プロの方などは霧吹きで与えるそうですが、僕は固く茹でた黄身だけを少量とり
茶漉しで裏ごししてから、ほんの少しの水で溶くようにしてスポイトで与えます。
注意点は
※水を汚しやすい事です
※思っているより遥かに少量で良いです。決して余る事の無い、完全に食べきれる量をスポイトで与えます。
※ちなみにもう少し稚魚が大きくなれば卵黄は冷凍赤ムシ、生ブラインと並ぶ大好物の1つになります。 大人の金魚でもこの3つを嫌いな固体を見たことがありません。

自家製冷凍ブライン
製品も存在するようですが自分で沸かすほうがリーズナブルだし安心だしという場合は
自分で孵化直後の綺麗なオレンジ色のまま新鮮なブラインを冷凍して
上手く孵化しない時の非常食とする方法も良いと考えています。
これは熱帯魚の飼育をされている方が行われていたので参考にさせていただきました。
卵黄よりは食いつきは良くなります。
稚魚飼育後半は大量に沸かして冷凍して毎日与える方法に切り替えましたが
とても楽で最初からしても良かったかも?とも思いましたが
最初の頃は生きていないと食いつきが悪かったのに
2ヶ月経過した今は何でも食べるようになったものです。
自家製冷凍ブライン
▲無駄に水を入れないように可能な限り水を減らして凍らすと扱いやすいです。

注意点は
※稚魚は極端な温度低下に弱い事
一度別容器で溶かして飼育水と混ぜてからスポイトで飼育容器にいれないと、
どばどば落とすと飼育容器のサイズによっては温度が急に下がりすぎます。

冷凍赤ムシ
1週間から10日くらい餌を与えたらようやく
冷凍赤ムシのミンチが食べられるようになります。
本来赤ムシの”赤”である体液が重要な栄養なのでミンチにしてしまうと
それが全て水に溶け出して稚魚は周りの皮?だけ食べるような事になりますが
そのままだと稚魚と大きさが変わらないものも多いので細かくしないと怖がって近づきません。
3週間もして味を覚えれば相手の大きさに関係なく果敢に立ち向かう稚魚も出てきますが
それまではミンチにしないと食べません。
ちなみにミンチにするのは園芸用の選定はさみ(先がシャープでよく切れます)を用いて
数滴の水と共にチョキチョキすると綺麗に切れます。

※アカムシを刻むと水質悪化を早めるだけでなく金魚が吸収すべき栄養も流れ出すのでNGです。
現在はこのようにしています
(→)小さな稚魚に冷凍赤ムシを与えると・・・こんな事になります

【おまけ】

ブライン卵から幼虫まで

上のアニメーションは孵化状態の異なるブラインを順に並べてみました。
※同じ固体の写真ではありません。
顕微鏡が無いので無理やりマクロレンズで撮りました 。
すごく見難くてごめんなさい。
なんかポップコーンのような感じです。

ブラインシュリンプの鮮度と色

その作業中に面白い事を発見しました。
成長と共にオレンジ色が弱くなっています。
上の画像は、
それを画像処理ソフトのカラーピッカーで体の色の平均色を取り出して分かりやすいように●を塗りつぶしてみました。
孵化したてのころころしたものほどオレンジ色が強く成体になるにつれて白くなっていくようにオレンジが薄くなっています。

現在のところは以上ですが
何かあればここに追記します。